11月21日から(仮称)新浦安ホテルの建設が始まりました。なぜ、近隣住民の大半が異を唱え、UR(都市再生機構)と了徳寺大学/学園の間で交わされた土地譲渡契約書に「教育施設として使用する」と明記された土地にホテルが建つことになってしまったのでしょうか?
思い起こせば数ヶ月前、私たちは松崎市長の「住民の皆さんを泣かせるようなことはしない」という甘い言葉に期待していました。しかし、その期待は見事に裏切られたというしかありません。
浦安市は、土地譲渡契約書は民民の契約であるため、口だし出来ない。そのために公募の「募集要項」と「建設指針」に、そこに何を建てるか明記するよう求めたが「URが言うことを聞いてくれなかった」のだと言います。百歩譲って土地譲渡契約書に効力がないのであれば、なぜ「URが言うことを聞いてくれなかった」で市は済ませてしまうのでしょうか?言うことを聞かないことがまかり通るのであれば、計画的なまちづくりもへったくれもありません。URは了徳寺に定期借地していた土地を約69億円で売却、了徳寺はその半分以上を1.76倍で即日転売、残りの土地も1年以内に転売し、約52億円の売買差益を生み出しています。結果、細分化された土地に善意の第三者として土地を購入した不動産ファンド「ケネディクス社」の子会社「KRF45」が、教育施設であるべき土地にホテルを建てることになります。URも了徳寺も業者も地域住民の意向を無視して好き勝手にやりたい放題。それを許してしまう行政の存在意義は一体どこにあるのでしょうか?
そもそも真剣に住民のためのまちづくりを考えるなら、なぜ市は大学が出来た時点で、商業施設に転用できないよう、土地の用途変更を怠っていたのでしょうか?
8月、浦安市景観審査会は、経済効率だけを考えた段ボールのような9階建てのホテルの建築を認めました。私たちは審査内容について情報公開を求めましたが、公開された議事録はほぼ黒塗り、のり弁状態で何が話し合われたのかまったく知ることが出来ません。景観審査会は一体何のためにあるのでしょうか?市民のためではなく事業者のためにあるものなのでしょうか?市民の方に向いていない行政の姿勢に疑問を感じざるを得ません。
幸福の追求は憲法で認められた国民の権利です。行政は国民の権利を守る義務があります。浦安市の怠慢と不作為によって、幸せなまちづくりを望む市民の権利が踏みにじられた結果、私たちの街に負の遺産が建設されようとしています。
寄稿 パークシティ東京ベイ新浦安SOL住民のひとり
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