週刊東洋経済2016.7.2号に「デイズニーバブルに酔うホテルラッシュの熱狂—今、新浦安や舞浜でホテル建設が熱い。“夢の国”の周辺で何が起きているのか。」という記事が掲載された。バブル熱狂の中で一体SOL住民の生活と環境はどうなるのであろうか。
記事のおおよその内容は、以下の通り。
- 新浦安駅(千葉)から車で約10分の南国風の街路樹が並ぶ瀟洒なマンション群の近くに、新たに三つのホテルを建設する計画がある。
- もともとこの辺りにはホテルエミオン東京ベイ(381室)、東京デイズニーセレブレーションホテル(702室)、三井ガーデンホテルプラナ東京ベイ(550室)と今現在でもホテルが多い地域である。(計1633室)
- そこに(1)新浦安マリナイースト(291室、大和ハウス工業運営、16年内に開業予定)、(2)東京ベイ東急ホテル(640室、東急不動産、18年1月に開業予定)に加え、我々SOL住民が問題視している(3)(仮称)新浦安ホテル計画(312室、ケネデイクス社の子会社の特別目的会社が開発計画)という3つのホテルの建設計画がある。
- 記事によると東京デイズニーランド、シーの入園者のために近隣ホテルは連日満室の日が珍しくない。今は、宿泊需要過多の状態。ホテルを建てれば人が入るはずで、これがホテル建設ラッシュにつながっているという。
(上記は新町地域のことだけだが、他にも市内では東野と堀江にも新しいホテルの建設が進んでいる。)
しかし、週刊東洋経済に書かれるほどのホテル建設ラッシュの地域にいる我々の生活は、一体どうなるのであろうか?そもそも何故、よりによって我々の住居の近くに、ここ2−3年の短期間に、3つも4つも大ホテルを建設しなければならないのか?
開発事業者は経済動機から建設計画を進めようとするのであろうが、上記(1)から(3)を合わせると1243室にもなる。そもそも住民は、こんなに多くのホテルを望んでもいない。これだけのホテル群が急に建てられたら、これまでの住環境は一変する。交通渋滞、安全確保、排気ガスも含めた公害問題、住民たちのプライバシー保護の問題など、起こるべくして起こる。一体、浦安市の都市開発のマスタープランはどうなっているのだろうか。
我々が問題視している新浦安ホテル建設にしても、もともとは美術館が建つと説明を受けていた土地である。それが急に今年の春になり、了徳寺側が大学用地を3分割にして不動産会社に売却してしまったことが分かった次第である。そもそも浦安市は「景観」を浦安の財産と位置づけ、「浦安市景観条例」や「浦安市景観計画」を策定したはずである。浦安市は、建築物の用途の混在化、敷地の細分化等による環境の悪化を防止するために規制や誘導を行うことになっていたのではないか。新浦安ホテル建設計画は、正に文教施設用地の細分化と営利目的のホテルの建設という、立法時に懸念された用途の混在化そのものではないか。
土地を買った者は、土地の権利を声高に叫び、経済原理だけで法の許す限り開発をして何が悪いというであろう。しかし、建物の構造で建築基準法を満足しても銀座に高層ビルは建てられない。なぜなら銀座の景観がそれを許さないからである。浦安の現在の法律は、景観を保護して住民の住環境を守る一方、事業開発者が秩序だった開発を進めるのに何かが欠けているのではないか。
寄稿:パークシティ東京ベイ新浦安SOL自治会の対策部会
仮称)新浦安ホテル計画(312室、ケネディクス社の子会社特別目的会社が開発計画)
近隣住民に配布された資料を基に、新浦安ナビが作った図です。
明海中学校側から見たホテル、Sol街区側に客室の窓が並ぶ計画です。
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