季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第23回 あるものいろいろのせちゃった!ピザの巻


先日、ロコディッシュでCarry Smileのラジオ番組「うらスマ」の収録がありました。最終回だというので、何かみんなに「おつかれさま お夜食」を作ってあげたいと思いました。収録後に気軽につまめて、わいわい食べられるもの・・・そうだ、ピザにしよう!
というわけで、久しぶりに生地をこねこねピザ生地を作りました。さて、何をのせようかな・・・お店にあるものいろいろ使って4種のピザを焼きました。番組収録中にササッと作れるこのピザは、きっとこれからクリスマスや忘年会などホームパーティーの一品として、生地さえ作って冷凍しておけば大掃除の忙しい日の食事にも大活躍間違いなし!ということで、今回はカンタン手作りピザレシピ〜♪

それでは早速、あるものいろいろのせちゃった!ピザの食卓です。

どうですか。未晒しの紙にピザ。気軽に食べられるピザですもの。そんなに気張らなくていいんだと思いますよ。案の定、みんなの「わぁーっ!すごい!」という歓声が聞こえて、私が取り分けるための器を取りに行っている30秒の間にフライングしてパクついていました。そういう感じがいいんだと思います。

それでは、お料理の説明です。

ピザ生地

薄力粉/強力粉/薄力粉+強力粉、イーストを使う/使わない、発酵時間を取る/取らない・・・などいろいろな作り方がありますが、今回は私が一番好き&短時間で出来る生地のレシピをご紹介。薄くのばすとパリパリに、厚めにすればもちもちに。まとめてたくさん作って、冷凍保存しておくと、忙しい時に便利ですよー!

4枚分の分量です。オーブンの天板2枚で収まり、一度に焼ける分量です。

  1. 小麦粉(強力粉)300g、砂糖10g、ドライイースト6g、塩10gをボウルに入れます
    *イーストは、糖分で発酵を促し、塩分で発酵を抑える性質があります。ドライイーストと砂糖は最初に混ざるよう近くに、塩は少し遠いところにおきます

  2. ぬるま湯(30℃くらい)を180cc注ぎ、イーストと砂糖を混ぜながら粉や塩も混ぜ込んでいき、全体を混ぜます
    *始めはスプーンで混ぜると混ぜやすいです


  1. ボソボソして、ベタベタしてきます。しばらくベタベタしていますが、根気良く混ぜましょう

  2. なんとなくひとかたまりになってきたら、オリーブオイルを大さじ2杯いれて、さらに混ぜます

 
  1. 作業台をキレイに消毒して、生地を台に出してこねます

    *外側から内側に折り込むように力強く。約15分〜20分、表面にツヤが出てくるくらいまでがんばって

  1. 生地の全体の重さを量り、4等分してそれぞれ丸めます

    * 生地を分ける時は、引きちぎると生地がダメになるので、スケッパーか包丁で、スパッと切ります
    * 1つには、ここで黒胡椒を粒のままゴロゴロ混ぜ込みました
  1. 固く絞った濡れふきんで覆い、乾燥を防ぎながら15分生地を休ませます
  1. 好きな大きさ、カタチに伸ばします

    * 手で伸ばしていっても良いですし、めん棒も便利です。生地を引きちぎらないように注意して。
    * 薄めに伸ばせばパリパリの食感に、厚めにすればモチモチっとした感じになりますので、お好みで
  1. 生地が必要以上に膨らまないように、フォークで穴を開けておきます

  2. 230℃のオーブンで、5〜7分回りに軽く焦げ目がつくくらいに焼きます

後は上に乗せて再度焼くだけ

保存しておく場合は、この状態のままラップで包み、ファスナー付のフリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。

使う時は凍ったまま具を乗せて焼きます


 

海苔と昆布のピザ

 何を乗せようかな・・・ふと目に入った海苔と昆布。海苔は、海苔屋さんに行くと売っている粉海苔を使いましたが、スーパーでも販売している焼き海苔を切ったり、もみのりにしたりしてもおいしいと思います。食べやすいように細かめが良いですね。昆布も、乾燥刻み昆布を使いました。

  1. バターを鍋かレンジで軟らかくクリーム状にし、醤油と柚子胡椒を味をみながら好みの味になるまで少しずつ入れて練り、ペーストにします

    * 余ったら、タッパーに入れて冷蔵庫へ。和風のサンドイッチなんかにも合いますよ
  1. 粉海苔、チーズ、乾燥刻み昆布をのせ、230℃のオーブンで軽く焦げ目がつくまで約10分焼きます

    * チーズは、チェダーチーズとモッツアレラチーズを削ってのせました。お好みのチーズでどうぞ

 

トマトとチーズのピザ

「うらスマ」スタッフが「トマトとチーズのピザを食べたい」と言っていたのを思い出し、1つはコレに決定。冬のトマトは当然ハウスもので値段も高く、甘み少なめ。生食ならトマトは旬に食べるべきだ!と思いますが、逆にピザにのせて焼くなど火を通す料理にはぴったりでした。

  1. フライパンに、オリーブオイル、包丁の腹で押し潰してみじん切りにしたにんにく、唐辛子をいれ、弱火でゆっくりあたためて香りを出します

  2. トマトピューレを入れて、なじむまで火を通します

  3. 黒胡椒を混ぜ込んだピザ生地に、2で出来たトマトソースを塗り、チーズ、トマトのスライスをのせ、230℃のオーブンで約10分、軽く焦げ目がつくくらいまで焼きます

    * トマトソースは、お気に入りのものがあればそれを使っても良いですね。水気の多いものは、一旦火にかけてペースト状になるまで濃度を上げた方がピザ向きです。忙しい時は、市販のケチャップやピザソースでもカンタンにおいしく出来ます
    * シンプルなピザなので、チーズはレッドチェダー、エメンタールの2種を削ってのせました

 

パット・カパオ・ガイのピザ

あれ?聞いたことあるな・・・って思いました?そうそう、先月の「タイ料理」に登場した、パット・カパオ・ガイ(チキンのバジル炒め)。あれ、絶対ピザに合う!と思って作ってみたら、大正解。旬の白ねぎも入れてみました。

  1. パット・カパオ・ガイを作ります。
    →作り方は「季節の食卓11月号「タイのコーワッタナさんちの食卓」参照

  2. パット・カパオ・ガイ、白ねぎを細かく輪切りしたもの、チーズをのせて230℃のオーブンで約10分軽く焦げ目がつくまで焼きます

    * 調子にのって、パット・カパオ・ガイをたくさん入れたら、ぼろぼろこぼれて食べにくい!との声が・・・みなさんは、少し控えめに(笑。たくさんのせたい時は、チーズと混ぜ込んでおくと良いです
    * 白ねぎは一番上だと焦げてしまうので、チーズの下で蒸すようにします


 

りんごとプリンのピザ

デザート代わりに、甘いピザもひとつ作りました。ロコディッシュで大人気の「まろりんプリン」は、とってもクリーミーなので、そのままクリームみたいに生地に厚めに塗ります。上にりんごを並べて。グラニュー糖を振っておくと、焦げ目がきれいについて、見た目にも美味しそう。

  1. 生地に軟らかいクリーミーなプリンをくずして塗ります

  2. りんごは芯を取って薄いくし型に切り、プリンの上にのせます

  3. グラニュー糖と、お好みでシナモンを振り、230℃のオーブンで軽く焦げ目がつくま約10分焼きます

    *今回使ったりんごは「サンふじ」。アップルパイなどお菓子によく使われる「紅玉」もプリンの甘さの中で酸味が引き立っておいしいですよ。いつもは皮付きで使いますが、皮が少し硬めだったので、剥いてのせました。



それでは、今回の主役。

ピザ

ピザってそもそも何だ??

ピザ【pizza】
小麦粉を練って広げた生地の上に、サラミ・チーズ・トマトなどをのせて焼いた食品。もとイタリアのナポリ地方のもの。ピッツァ。ピザ-パイ。(大辞林より)

私、宅配ピザのパンフレット眺めるの好きなんです。一般的に人気のある組み合わせがたくさんのっていて、とっても勉強になります。
みんなで宅配ピザも楽しいけれど、今回のレシピで生地だけ冷凍ストックしておけば、宅配ピザを注文して配達に来るまでの間に家にある好きなもの全部のっけて作れちゃう!
ホームパーティーでみんなに好きなもののせてもらって、手巻き寿司ならぬ手乗せピザも楽しい!

具材について

生地があって、具材を乗せ、オーブンで焼く。これだけのシンプルな工程。おうちにある身近な食材を使って、いろんなピザにチャレンジしてみてくださいね!
* 10分で火が通りにくいものは、薄く切ったり、あらかじめ火を通しておく
* 水っぽいものは、生地がベタベタになるので水気を切っておく
* 焼くと水気が出るものは、下に濃度の高いソースや油分を含んだソースを塗っておく(サンドイッチの要領ですね)
* ピザを切り分けて食べる場合、大きな具材や長い具材は小さく切っておく

栄養について

ピザって、カロリーが高くて太るでしょ?という声をよく聞きますが、何をのせるかで随分違ってきます。
気になる方は、ソースもオイルが少なめのものを使い、数種の野菜をバランスよく、チーズも脂肪分の少ないリコッタチーズやカッテージチーズも混ぜて使ったりすると良いですよ。
カロリーを制限しなくてはならない方も、手作りで素材を選んでいけばピザを諦める必要はありません。

 


こんな顔して食べてくれたら、調理人冥利につきます・・・

皆様、今年も「季節の食卓」をご愛読いただきありがとうございました!
新浦安ナビの管理人さんから「来年こそ、ちゃんと〆切に間に合わせるように!」
とのお叱り付きで継続の許可をいただきましたので、
来年も引き続きよろしくお願いいたします。
12月もおいしいゴハンを食べて良いお年をお迎えくださいね。