季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第22回 「タイのコーワッタナさんちの食卓の巻」


Bangkok Airwaysという航空会社の機内誌『move』で『タイ料理inJAPAN』という連載コラムを、この11月からスタートすることになりました。※ 毎回、タイ料理のお題を与えられ、私がそれを日本の食材で作るというコーナーです。今月のお題は、「トムヤム・クン」。日本でも美味しいタイ料理屋さんがたくさんあって、タイ料理のレトルトが販売されていたり、タイ料理も身近なものになりました。 でも、家で作るとなると・・・なかなかやっぱり海を越えた遠い存在。そこで、これを機に、フードコーディネーター仲間の、コーワッタナ シッティパットくんに、改めて彼の地元タイの料理を教えてもらいました。 食材が揃いさえすれば、簡単なんですよー。いつもはみなさんの大切な人の好みの味にしていただきたくて、「味を見ながらお好みで。」が多い『季節の食卓』ですが、今回は基本の分量を教えてもらった通りに書きますので、ぜひ挑戦してみてくださいね!

※フリーペーパー『move』はリニューアルが決定し、 来年1月の創刊号よりコラムがスタートすることになりました。(11/6)

それでは早速、コーワッタナさんちの食卓です。

スープ、炒め物、ごはん。タイの家庭料理の王道だそうです。いつもの器と、タイの器も使って、食卓を作ってみました。テーブルにはタイのタイダイ染めのクロスを敷きました。 タイの器や布は、手作りのものが多いので、ひとつひとつが違った味わい。温かみがあって、大好きです。最近、タイのニワトリ柄がお気に入り。ちょっととぼけた感じの絵が、食卓を楽しくしてくれます。ロコディッシュで販売している器の中でもニワトリシリーズは一番人気です。

それでは、コーワッタナさんのレシピをご紹介。

トムヤム・クン

トム=煮る ヤム=混ぜる クン=えび

【材料】  
えび 5尾(約70g)
フクロダケ 6個
レモングラス 1本
コブミカンの葉 2枚
ガランガル 3,4枚
スープ 1.5カップ
コリアンダーの葉 適量
ナンプラー(魚醤)

大さじ3

小粒唐辛子 5〜8本
ライム果汁 大さじ3
チリ・イン ・オイル 大さじ1
  1. えびは、殻をむいて背中を開きます
  1. .ハーブ類の香りを引き出す作業をします(生の場合)
  • レモングラスは、斜めに2.5cm程の長さに切り、軽く潰します
  • コブミカンの葉は、筋を取り、ちぎります
  • ガランガルは、斜めに2.5cmほどの長さに切り、軽く潰します
  • 唐辛子も、軽く潰します
  • これがポイントなのだそうですよー!
  • 近所では乾燥のものしか手に入らなかったので、乾燥ハーブで作りました
  1. フクロダケは水洗いし、黒い根の部分を切り落として半分に切ります。
  • フクロダケは、日本では水煮の缶詰しか手に入りません。マッシュルームで代用してもおいしいですよー。
  1. スープを沸かして、レモングラス、ガランガルを入れて5分程煮ます。フクロダケを入れ、更に3〜5分煮込んでからえびを加えます
  2. 再び煮立ったら、ナンプラーとチリ・イン・オイルを入れます。再度煮立ったらミルクを加えて火からおろしてライム果汁と唐辛子を加えます
  3. コリアンダーの葉で飾り出来上がり
  • 辛いのは苦手な方は、最後の唐辛子で辛さを調整してくださいね。これを食べる予定のスタッフが辛いのが苦手だったので、私は最後の唐辛子を入れずに作りました。それでもほんのり辛味があって、おいしかったですよ。
  • コリアンダーの葉は、パクチー(タイ語)、香菜(中国語)とも言われます

 

パット・カパオ・ガイ  (チキンのバジル炒め)

パット=炒め  カパオ=バジル  ガイ=鶏
これを食べたスタッフは「ごはんが止まらない!」と、モリモリおかわりしていました。

【材料】  
鶏のひき肉 120g(お好みで、ひき肉でなくてもOK。豚肉でもおいしい)
ホーリーバジル 1/4カップ
唐辛子(小口切り) 5〜10本
ニンニク 大さじ1
スープ 1/4カップ
サラダ油  大さじ2
ナンプラー(漁醤) 大さじ1
砂糖 小さじ2
オイスター ・ソース 小さじ2
  1. フライパンに油を熱して、軽くつぶしたにんにくと唐辛子を炒めます。香りが出てきましたら、鶏肉を加えまして、3分程炒めます
  1. 調味料とスープを加え、ひと煮立ちさせます

  2. ホーリーバジルを入れて炒め合わせ、盛り付けて出来上がり

 

  • ホーリーバジルは、タイのバジル。なかなか手に入りにくいので、スイートバジルで代用しました。
  • 「ホーリーバジルは、すごく香りが強くクセがあるので、スイートバジルで作った方が日本人に合っていて食べやすいですよー」とのこと。


それでは、コーワッタナさんちの食卓に欠かせない今回の主役。

岩塩

これを入れると、一気にタイ料理らしい香り、辛味になります。まだまだ全部そろえるのは難しいですが、乾燥のものなら、スーパーでも手に入るようになりました。 ガランガルはショウガ科なので生姜で、唐辛子も日本の鷹の爪で・・・と、代用もききますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
 

タイに行って『move』というフリーペーパーを
見かけたら、ぜひコラムを見てくださいね!

タイの器に興味がある方は、ロコディッシュにもぜひ遊びに来てください。

お待ちしています