季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第11回 「山小屋風、あったかほっこり。な食卓の巻」

12月。雪山シーズン到来ですね。今年は久しぶりに、スノーボードしに行こう。雪山の壮大な景色の中を走り抜けるスピード感。顔に当たる冷たい風。気持ちいいですよねー。でも、本当は・・・その途中にある山小屋に入った時のあったかーい空気が好き。名物のシチューなんかあったら、もう最高!

そんなこと考えてワクワクしていたら、右足を大火傷しました。ブーツ履けないどころか、まともに歩くことすら出来ない・・・はぁ・・・でも、せめて山小屋気分だけは味わいたい!よし、こうなったら山小屋のあったかほっこり感を、自宅で再現!自宅で過ごすのもまた、いいもんだなぁって、思える食卓を作ろう!

それでは早速、あったかほっこり。な食卓です。


山小屋の食卓って、ハイジのイメージなんです。木のテーブルに、木の器。素朴であたたかく、愛情たっぷり。余計なものがないから、そこに人が座ってはじめて完成する、憧れの食卓です。
直接触れるものは木製に。ポイントにガラスボウルを使いました。木のテーブルの色を活かしたくて透けるクロスを敷きました。クロスといっても、ボディータオルなのですけれど、少しフワフワしていて子ヤギのユキちゃんみたい。

お気に入りの映画のシーンなど、その世界観に含まれる色や素材をピックアップして、食卓を構成してみると楽しいですよ!

それでは、お料理の説明です。

(ハイジ的?)根菜味噌クリームスープ

ハイジの食卓に欠かせないクリーム系スープ。冬においしい根菜で作ってみました。土の中で育つお野菜、味噌などの発酵食品は、身体を温める効果があります。

今回は、分量を書くのやめます。お野菜も、味噌も、牛乳も、好きなものを好きなだけ。最後に味を調えれば出来上がり。スープは難しいこと考えずに、最後に「おいしい」と思えば、それがあったかい我が家の味。
 
  1. かつおのだしを取ります。
    季節の食卓9月号“だしの取り方”参照
    昆布なしで、沸騰した湯にかつおを入れてだしを取りました。
  1. にんじん、ごぼう、れんこん、じゃがいも、紫いも、ラディッシュは、皮付きのままタワシできれいに洗います。
    *ラディッシュは、葉を落とします。
  1. 切らずにそのままゴロゴロ入れても良いし、食べにくそうなら好きな大きさに切ります
    *ごぼう、れんこん、じゃがいもは、切ったら水に浸してアク抜きします。

  1. 厚手の鍋にバターを入れて、ラディッシュ以外のお野菜を炒めます。 *ここでよく炒めておくと、味が馴染んでおいしくなります。

  1. お野菜の頭が隠れるくらい出汁を入れて、お野菜が柔らかくなるまで弱火でコトコト煮込みます。柔らかくなってきたら、ラディッシュも入れます。
    *お野菜がほとんど動かない程度の火加減にしておけば、煮くずれしにくいです。昔、実家では灯油ストーブの上にカレーなどの煮物の鍋を置いていました。
    *ラディッシュは、長い時間煮込むと色が落ちてくるので、後から入れました。

  2. 味噌を溶き、好みの濃さになったら、牛乳を入れてまろやかに仕上げます。
    *味噌は合わせみそを使いました。赤だしでも、白味噌でも、お好きなもので。
    *牛乳を生クリームに変えても、コクが出ておいしいですよ。

 

紫カリフラワーの塩もみ

とってもキレイな紫カリフラワー。茹でると緑色になり、それもまたキレイなのですが、今回は紫色を活かして生でいただきます。

  1. 紫カリフラワーは茎もつけたまま小房に切り分けます。茎の部分は少し堅いので、皮を剥いて使います。
  2. さらに茎の方から切り込みを入れて小さく裂きます。
  3. 紫カリフラワー1個当たり、小さじ3杯弱くらいの塩を振りかけ、混ぜてしばらく放置します。
  4. 少し水が出てしんなりしてきたら水気を切って、レモン1/4個分の皮をむいて極細い千切りにし、カリフラワーに混ぜ込みます。
  5. レモン1/2個を絞りかけます。
    *冷蔵庫に入れて2〜3日持ちますので、まとめて作っておくと便利です。

 

それでは、あったかほっこり。な食卓の今回の主役。

 
アンデスレッド

最近、南米アンデスの原産種に近いじゃがいもが話題です。果肉が黄色くて甘く“栗じゃがいも”とも呼ばれる「インカのめざめ」はロコディッシュでも大人気メニュー。この「アンデスレッド」も、甘みがあってぽくぽくしてて、なんと言っても皮の色が赤くてキレイ!火の通りが早く、煮くずれしやすいので、キレイな色を活かして皮付きで使いたいじゃがいもです。

選び方

原種に近いため生命力が強く、保管の温度が高いとすぐ発芽して味が落ちてきます。低温でしっかり貯蔵されている、芽の出ていないものを選びましょう。

栄養

他の品種のじゃがいもに比べて、カロテンが多く含まれています。

保存方法

発芽しやすいので、出来るだけ涼しいところに保管します。キッチンは意外と温度が高いので、冷蔵庫の野菜室に入れた方が良いですよ。


紫カリフラワー

「パープルボンバー」「バイオレットクイーン」などの名前がついているものもあります。旬は11月〜12月末。花蕾(からい=主に食べるつぼみの部分)は、茹でると緑色になります。カリフラワーは、白が一般的ですが、このような紫色のものや、オレンジのものもあります。

選び方

花蕾の部分が丸くこんもりしていて、隙間なくつまっているもの、持ったときに重く感じるものが、水分が多くて新鮮です。

栄養

ビタミンが豊富で、特にビタミンCはカリフラワー100gで1日分の必要量がとれます。風邪の予防にもなりますし、旬の時期にたくさんいただきましょう。

保存方法

乾燥しないよう、ラップで包み冷蔵庫に入れます。


今回は、足を火傷して動けなかったので、アシスタントにキリちゃんを迎えて2人で食卓を作って一緒に食べました!
おいしかったー!

来月も、おいしいもの見つけてご紹介しますね。お楽しみに!