季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第28回  これなら作れる!カンタン沖縄料理の巻

ロコディッシュのメニューに沖縄料理が増えています。去年の夏、沖縄をテーマにした絵画展「わんから!」を開催した時、それに合わせて沖縄料理をメニューに加えたら、これがとっても好評で、沖縄出身の方に「お母さんの味がする!」「沖縄の定食屋みたい!」などのお声をいただき、調子にのった私は一部をレギュラーメニューにしてしまったのでした。

そして先月、4周年を迎えたロコディッシュのお祝いにかけつけてくれたのは、石垣島出身の三線(サンシン)弾き「華菜枝」ちゃん。沖縄民謡やオリジナル曲など、三線の音色に包まれながら、また気持ちよく沖縄料理を作ってみなさんに召し上がっていただきました。

 で、よく聞かれるのが「家で作ったんだけど、こういう味にならないの。」「沖縄料理って作るのにすごく時間がかるんでしょ?」「食材どこで買えばいいの?」という声。確かに時間のかかるものはありますが、ささっと作れるものもあるんですよ。

  今回は、ササッと作れて、いつものゴハンに頻繁に登場してもいいんじゃないかなーと思うカンタン沖縄料理です。

それでは早速、カンタン沖縄料理!!な、食卓です。 

GWから梅雨入りまでの間、5月はちょっと夏気分を味わえますね。外でこんな風にあったかいものを食べる・・・なんていう夕飯もステキです。気取らず構えず、料理を並べたら、上着を羽織って、お箸を持って外に出る。涼しい風も気持ち良いものです。沖縄そばを入れたどんぶりは、私が沖縄に行った時に気に入って買った作家さんのもの。島らっきょうを入れたグラスも、沖縄に住んで琉球ガラスの手法で女性が作っていたグラス。お箸は沖縄の定食屋さんによくあるウメーシという竹のお箸。少しだけ沖縄テイストのものを入れて、最後にやっぱり、オリオンビール♪

それでは、お料理の説明です。

沖縄そば

小麦粉だなぁー。という、ボソボソとした(?)食感。これがたまらなく好きで、ツルツルしたものより、よりボソボソ感が強いものを選びます。ロコディッシュのメニューに時々登場するのですが、このボソボソ感が好きだという方が意外に多いのですね。だしは、沖縄の友だちが「沖縄そばは絶対にコレ!」と言い切った、サン食品の「沖縄そばだし」を使います。ね、カンタンでしょ?

沖縄そばは、ラフティという、豚肉の皮付き三枚肉をコトコト煮込んだものがのっていることが多いです。ソーキ(骨のついたバラ肉)を煮込んだものを入れたのがソーキそば。

*ラフティの作り方は、季節の食卓2007年10月号でご紹介しています。
 
  1. すごくカンタンで早いので、乗せるものを先に全部用意します。ラフティを乗せたいだけ、かまぼこ、小ねぎも乗せたいだけ切っておきます。紅生姜も用意!

  2. 鍋を2つ用意し、それぞれに熱湯を沸かします。ひとつに沖縄そばだしを規定の分量入れます。(サン食品のものは17倍に薄めます)

  3. もうひとつの鍋に、沖縄そば(ゆで)を入れてほぐし(油切りが目的なので茹でるわけではありません)

    *乾麺の場合は、袋に書いてある規定の時間茹でます

  4. そばの湯をしっかり切って丼に入れ、だしをかけ、トッピングして出来上がり!

 

ちゃんぷるー

ちゃんぷるーは、ゴーヤちゃんぷるーで最近有名になりましたね。もともとは、ウチナーグチ(沖縄の方言)で「ごちゃ混ぜ」という意味。お料理では「炒め物料理」という意味です。本当は、これに島豆腐(しまどうふ)という、水気が少ない豆腐をちぎって入れるとまた美味しいのですが・・・ない!買ってあったはずの島豆腐がないーーーっっ!という事件が起きまして。豆腐が入ってなくても出来ますが、みなさんはぜひ水切りした豆腐を(出来れば島豆腐を)入れてみてくださいね。

*沖縄そばだしを使えばカンタン!


  1. 炒めるものを準備します。「ちゃんぷるー=ごちゃ混ぜ」」ですから、何でも好きなものを入れて良いです。今回は、ポークランチョンミート、ゴーヤ、キャベツ、もやし、青パパイヤを炒めて、たまごでとじました。

    ゴーヤ:縦半分に切ってスプーンで種を取り、スライスします。苦味が苦手だったら、塩で軽く揉んで水分が出たら水で流しておくと和らぎます

    青パパイヤ(沖縄では、まだ青いパパイヤを料理に使います):皮をむき、種を取ります。千切りし、塩もみして水で洗い流しアクを取ります

    *青パパイヤは、切った時にでてくる白い液体で、手がかぶれる方もいらっしゃるみたいです。肌の弱い方はなるべく触れずに洗い流すなど、気をつけてみてください。乾燥パパイヤを水で戻して使うのも手です。

    キャベツ:芯を取って、一口大にちぎります

    もやし:熱湯で湯通ししておくと、くさみが抜けます

    *「ポークランチョンミート」とは、缶詰の豚肉の加工品です。沖縄では、ちゃんぷるーに入れる時は「TULIP」というメーカーを使う方が多いです

  2. フライパンに油を入れて熱し、ポークランチョンミートを先に炒めます
  1. 野菜類を入れて炒め、少ししんなりしてきたら、沖縄そばだしをまわしかけます(2人前の炒め物で大さじ1杯くらいで充分です)
  1. 溶きたまごを入れて、ふんわりとじて出来上がり

 

もずく酢

沖縄のもずくは、太めで歯ごたえがあって、とってもおいしい!定番の三杯酢も、砂糖→黒糖に、酢→シークワーサーに変えて、沖縄っぽいもずく酢にしてみました。


  1. 沖縄もずくは、塩抜きが必要なものは塩抜きします。

  2. 三杯酢は、醤油:黒糖:シークワーサー=1:2:3で作ります。先に鍋に醤油と黒糖を入れて火にかけ、黒糖をしっかり溶かします。火を止めてからシークワーサーを入れて混ぜます

  3. もずくに三杯酢をかけ、昆布を1枚入れて冷蔵庫で冷やします

  4. きゅうりをなるべく細い千切りにして、冷たいもずくをのせます

 

くーぶいりちー

くーぶ(昆布)いりちー(炒め煮)です。たくさん作って、冷蔵庫で保管しておくと、数日は食卓に一品追加で役立ちます。色は地味ですが、豚と昆布のだしで、おいしいに決まってる!のです。


*コレが刻み昆布


  1. 刻みこんぶ(50g)は、水に浸して20分くらい戻し、水気をよく切ります

  1. 豚バラ肉(100g)は、熱湯でゆがいて色が変わったら小さめに切っておきます

    *茹で汁は、立派な豚肉のだし。捨てないで取っておきます

  1. こんにゃくは下茹でしてアクを抜き、太めの千切りに、沖縄かまぼこも同じくらいの大きさに切っておきます


  1. フライパンに油を熱して、豚肉とこんにゃくを炒めます。油がまわったら、酒、みりん、黒糖、各大さじ1と、醤油を大さじ2入れて炒めます(下味をつけます)

  2. こんにゃくにしっかり色がついたら、一旦ひきあげます(この時、炒めた後の汁はフライパンに残したままで)


  1. フライパンに残った汁に、豚肉のゆで汁を注ぎ、刻み昆布を入れて柔らかくなるまで煮込みます

  2. 昆布がやわらかくなったら、豚肉・こんにゃくと、かまぼこを入れ、全体を混ぜ合わせながら炒め煮します

 

海ぶどう

食べたことありますか?海ぶどう。ぷちぷちしていて、潮の香りがふんわりはじけて、とってもおいしい海藻です。海と同じ気温にしておかないと死んでしまうので、常温保管のものが多いです。

 
  1. しばらく水に浸しておくと、ぷちぷちが膨らんで、すごく食感が良くなります

  2. ずく酢と同じ三杯酢で食べてもよし、わさび醤油でお刺身のように食べてもよし

 

しまらっきょうのシークワーサー味噌漬

島らっきょうって、その名の通り、沖縄のらっきょうなのですが、私はらっきょうというよりもエシャレットみたいに食べるのが好きです。そのままピリッとした辛みを楽しみたい時は、生で味噌つけて食べます。酒の肴にしたい方には生食がおすすめです。今日は、ごはんにも合うようにしたかったので、その味噌であらかじめ漬け込んでおきました。



  1. 島らっきょうは、土を洗いながしながら、乾燥してしまっている外側の皮を剥きます

  2. 白味噌:みりん:黒糖=2:1:1を火にかけて、黒糖を溶かしながら混ぜていきます。キレイに混ざってツヤが出たら、火を止めてシークワーサーを入れて混ぜます

    *シークワーサー味噌は、他にもいろいろ使えます。一度に作って保存しておくと、ちょっとした生野菜につけて食べたり、意外と便利です。

 

それでは、カンタン沖縄料理!!の今回の主役。

沖縄そばだし

やっぱり、すごいです。サン食品の沖縄そばだし。これがあれば、沖縄料理がとっても身近なものになります・・・というよりも、いつもの料理が沖縄料理に大変身!!と言っても良いくらいです。今日はパパッと肉野菜炒めにしよう!という時、それがチャンプルーになってしまう!という感覚で味付けに使ってみてください。

 

もちろん、豚骨と鰹で丁寧に出汁を取って作るのもまた楽しいものですが、これを使って、もっと気軽に沖縄料理を楽しんでみてはいかがでしょう?

3月15日(土)、タイヤキカフェ&ダーツバー『NEO』が
富岡のパークスクエア内にオープンしました!!

いろいろな種類のタイヤキをご用意してお待ちしています。
ぜひ、遊びに来てくださいね♪