平成16年5月25日
羽田再拡張後の飛行ルート(国土交通省案)に対する
意見書(千葉県及び関係14市の主張)に対する回答
国土交通省
羽田空港再拡張後の飛行ルートに関する平成16年2月9日付けの標記意見書については、国土交通省において真摯に受け止め検討を重ねた結果、以下の通りご回答しますので、関係各位のご高配方宜しく御願い致します。
また、飛行ルートについては、千葉県等関係自治体の意見を踏まえ、別添の修正案の通りとするので、あわせて提示します。
1.浦安方面の低空騒音の抜本的な改善について
南風悪天時の浦安市街地上空の飛行ルートに関しては、諸課題につき慎重に検討を重ねた結果、滑走路自体を原案より7.5度振るとともに、飛行方法を工夫(オフセットILS進入方式により滑走路から2度海上寄りの方角から進入)す
ることにより、原案より合計9.5度角度を振ることとする。
これにより、南風悪天時に浦安上空を通過しない(最も近いところでも浦安沖約180mの海上を通過)こととした。
なお、東京ディズニーリゾートとの関係では、南風悪天時において、原案では東京ディズニーリゾート沖約300メートルを航空機が通過することとしていたが、合計9.5度角度を振ることにより東京ディズニーリゾート沖約2Kmを通
過することとなり、問題は生じないものと考えている。
2.入札について
上記のように浦安上空の通過を回避する抜本的な方策を講じたところであり、かつ3 以下の通りさらなる騒音軽減等を図ることとしており入札契約手続環境アセスメント手続をはじめとする諸手続を進めて参りたい。今後の諸手続が円滑に推進できるよう、千葉県をはじめとする関係各位の御理解と御協力をお願いしたい。
3.再拡張後の航空機騒音を現状より悪化させない対策の実施について
@千葉・市原方面からの着陸ルート
南風好天時の千葉・市原方面からの着陸ルートについては、通過高度を現行フィートから、B滑走路に進入するものをフィート、D滑走路に進入する3,000
5,000ものをフィートに、それぞれ高度を引き上げることとする。4,000これにより、航空機による騒音は現状より改善することとなる。
なお、本ルートについては、千葉市上空への集中を避けるべく将来の管制技術等の進展を踏まえなお検討を行っていく。
A木更津・君津方面からの着陸ルート
北風時の木更津・君津方面からの着陸ルートについては、富津沖海上ルートの設定、通過高度の引上げにより、航空機による騒音は現状より改善することとなる。
さらに、北風好天時の到着機の少ない時間帯においては、北からの到着機についても富津沖海上ルートを使用することとする。なお、富津沖海上ルートをこれ以上使用することは、現状では安全上困難であるが、将来の管制技術等の進展を踏まえなお検討を行っていく。
4.着陸ルートにおける「騒音共有」の実現について
「神奈川・都心北上ルート」を終日運航することについては、極めて限られた地理的範囲内においての運航となる上に、離陸便と明確な高度差を設ける必要があり、安全性を考慮すると制限的な運用にならざるを得ず、到着機数が少ない時間帯(西方面からの到着機が1時間に15機以内)に限定せざるを得ない。
また、このルートを千葉県上空を通過しない形で運航することについては、フィートの水平飛行で程度の騒音を東京都の江戸川区等に及ぼすこととな2,000
79dBり、不適切と考えている。
以上であるが「神奈川・都心北上ルート」の運用については、現段階でのも、のであり、将来の管制技術等の進展を踏まえなお検討を行って参りたい。
なお、騒音の共有に関しては、今般の修正案においても各種取り入れているところであるが、いわゆる都心ルート(出発)については、騒音レベルの高い離陸直後の騒音(今般回避することとした浦安上空以上の騒音)が発生することとな
り、この騒音は海上で処理することが可能であるため、今般の修正案においてはこのルートは設定しないこととした。
5.騒音予測について
機種別騒音値については、千葉県から頂いたデータを含めこれまでに得られた類似のデータを整理している。今後更にデータを収集し、できるだけ早期に予測基礎データの検証を行っていきたい。一方、ご指摘の実測値を踏まえてものラインは居住地には達しなWECPNL70いと見込まれ、環境基準の維持は可能と考えている。今般の飛行ルート(修正案)
を前提に環境アセスメントを行い、改めてW値を予測していきたい。
6.深夜・早朝の取扱いについて
羽田空港再拡張後の飛行ルートとして提示している案は、一日の平均的な運用を取りまとめたものであり、深夜・早朝については、別途検討して参りたい。
7.再拡張後の飛行回数について
羽田空港の再拡張事業は、増大する航空需要へ対応するとともに、利用者の利便性の向上等を図るためのものであり、その完成が多方面から望まれている。これらの期待に応えるとともに、多額の国費等を投入して行う再拡張事業の効果を最大限発揮させていくためには、年間40.7万回の発着回数を確保する必要がある。
8.情報公開について
再拡張後の飛行ルート等については、千葉県に対し昨年来累次にわたり説明を行い、本年2月2日の関係14市の市長等への事前説明を経て、2月9日開催の「羽田空港再拡張事業に関する協議会」において8都県市に対して正式に提示したものである。
その後千葉県議会全員協議会に2月25日説明また関係14市当局には2月26日〜27日説明、3月25日〜26日追加説明等を行ってきたところで
ある。
今後ともわかりやすい情報提供を心がけ、必要な説明をして参りたい。
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