平成16 年２ 月４ 日

国土交通大臣　石 原 伸 晃　様

羽田空港再拡張事業に関する抗議書

浦安市長　　松　崎　秀　樹

羽田空港再拡張事業については、Ｄ 滑走路の位置及び飛行ルート（ 案） の速やかな明示等を、平成1 5 年1 2月2 6 日付けで市川市長及び船橋市長とともに国土交通大臣あてに要望書を提出し、強く要望をした。

浦安市としては、過去においても昭和4 8 年当時に、東京国際空港Ｂ 滑走路を使用する航空機により発生する住民無視の暴力的騒音に悩まされ、要望書の提出によっては改善されなかったため、当時の運輸大臣及び環境庁長官に対し意見書を提出したという苦い経験がある。

そのため、今回の羽田空港再拡張事業についても、Ｄ 滑走路が建設され、浦安上空を低空で航空機が飛行することによる住民の生活環境への影響について強い警戒感をいだいており、そのようなことは断じて看過することはできない。

このような状況において、昨日（ 平成1 6 年２ 月３ 日）、「東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案」が、閣議決定された。

羽田空港再拡張事業の実施に伴い、航空機騒音による市民生活の環境の悪化が予想される本市に対し、この法案の内容はもとより、当該事業の事前説明ですら国に要望しているにもかかわらず、今日まで何もない。

事業者である国が説明責任を何ら果たすことなく、事業の決定、新年度予算への調査費計上、特別措置法案の閣議決定という既成事実の積み重ねによって、なし崩し的に事業を強行しようとする国の姿勢は、断じて許せるものではない。

今後、国が入札実施、工事着工においても、これまでと同様の姿勢をとり続け、騒音被害が予想される地域住民無視の独善的な考えを改めないならば、成田空港問題の教訓から何も学んでいないことの証明であり、将来に禍根を残すことになることから、強く抗議する。