季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第18回 「笹の葉サラサラお素麺♪な食卓の巻」


七夕。小さい頃、織姫と彦星が1年に一度しか会えないことを知り、「私、○○くんと会えなくなったら悲しくて死んじゃう!」などと勝手に自分に置き換えて、『会えますように、会えますように』と必死で短冊に書いて飾っていました。てるてるぼうずまで作って。

大人になって、七夕の説話を読んだら・・・なんと!織姫と彦星は、新婚時代に二人で遊び呆けて、罰として引き離されたというじゃありませんか。彼氏と一緒にいたら楽しくて働きたくなくなる気持ちはわかるけど、私だってガマンして働いてるのに、そりゃ罰を受けても仕方がない。少し反省したほうがいいよ。と、飾らなくなってしまいました。

でも・・・さすがに二人も反省して、今では真面目に働いているみたいだし、1年に1回くらいデートさせてあげたいな。こんな環境なのに、それでも愛し合っているなんて、ステキだわ。今までのことは、私が許してあげる!人を許すって、本当にステキなこと。自分が成長しなくては出来ないこと。

そんなわけで、今年の七夕は天の川を食卓に作って、しっかり見守ることにします。

それでは早速、笹の葉サラサラお素麺♪な食卓です。

素麺で天の川を作りました。普段、隣りに座るカップルも、今日は天の川を挟んで向かい合わせで座ってくださいね。夜空に流れる天の川、器は黒にしました。天の川には橋をかけて。もちろん食卓に小さな笹も用意して、短冊にお願いごとを書いて飾ります。

それでは、お料理の説明です。

素麺(そうめん)

素麺は、生産者の言うとおりに茹でるのが一番です。包装に記載されている通りに。


  1. たっぷりの湯を沸かし、必ず沸騰しているところに強火のまま素麺を入れ、麺がくっつかないように手早く混ぜます。
  2. 素麺を入れてから再度沸騰したら、麺が鍋の中で勝手に回るくらいの火加減で、指定の時間茹でます(1分30秒〜2分くらい)
  3. 茹で上がったら、すぐにざるにあけて湯を切り、流水で冷やしながら、もみ洗いします
  4. 水気をしっかり切ります。盛りつける時は、麺がくっつかない程度の氷や新しい水と一緒に


そうめんつゆ

市販のめんつゆはカンタンで良いのですが、やっぱり「我が家の味」を作って欲しい!!そんなに難しいことではないし、一度にまとめて作って冷蔵庫で保管しておけば、おひたし、煮物、お漬物、卵かけごはん・・・なんでもござれ。醤油の代わりに使ってみてください。いつものごはんが、ガラっと変わりますよ。

今回は、干し椎茸、昆布、かつおで出汁をとって作ります。慣れてきたら、お好みの食材で。
  1. 1. 水(1.5Lくらい)の半量に干ししいたけ(20gくらい)を入れ、冷蔵庫で一晩寝かせます。

  2. 昆布を固く絞った布巾でふいて汚れを取り、包丁で軽く切れ目を入れ、鍋に残りの半量の水と一緒にいれて、室温で一晩置きます。

  1. 椎茸の戻し汁を漉して、昆布の鍋に入れます
    * 干し椎茸には、細かなゴミが入っていることが多いので、必ずペーパータオルなどの目の細かなもので漉してから使います。

  2. 中火にかけて、沸騰直前に昆布を引き上げます
 
  1. 沸騰したら、かつおぶしをワサーッと豪快にひとつかみ入れて、軽くひとまぜしたら火を止めて放置します。
  1. かつおぶしが沈んだら、漉します。

  2. 別の鍋でみりん(30cc)を火にかけ、アルコールをとばします。

  3. 濃口醤油160cc、きび糖大さじ1、みりんを加えてひと煮立ちさせたら出来上がり。

    *昆布の種類、かつおぶしの種類、干し椎茸の種類、使うお砂糖でも味が変わります。最後にお好みの味で調整してくださいね!

 

くるみだれ

ごまだれも人気がありますが、くるみだれもこっくりして好きです。そうめんだけでなく、周りのお野菜を浸してもおいしいですよ。

  1. くるみをミキサーにかけて、ペースト状にします。

  2. 先に作ったそうめんつゆで少しずつ溶きのばしていきます 。

とろりん昆布だれ

納豆こんぶ、好きなんですよ。液体を入れて混ぜると、とろりーん。

  1. そうめんつゆを少し薄めて、納豆こんぶを入れます。

    *少し薄めのつゆの方が合います。さらに、とろろ昆布を入れてもおいしい!!

鶏トマトだれ

国産のトマトは生食用に甘いものが多いので、しっかり酸味があるイタリア産の缶詰のトマトを使いました。鶏のササミとその茹で汁も入れて。

  1. 酒を少し入れた熱湯で、鶏のササミを茹でてほぐします。

  2. フライパンにオリーブオイルと、包丁で叩いたニンニクを入れてあたためます。香りが出たら、トマトの缶詰を手で潰しながら入れ、鶏ササミと、茹で汁も入れて少し煮詰めます。

  3. 塩・胡椒で味を調えて出来上がり。

    *にんにくと一緒に鷹の爪を入れても◎

きゅうり生姜だれ

きゅうりをすりおろして、大葉と混ぜて。夏らしい爽やかなつゆです。


  1. 1きゅうりは、水でぬらしてから塩をつけて揉み、皮の表面のえぐみを出して洗い流します。

  2. きゅうりをおろし金でおろし、刻んだ大葉、おろし生姜と混ぜ合わせます。

  3. そうめんつゆと、塩で味を調えます 。

 


周りの飾りいろいろ

素麺だけでは栄養も偏るので、テーマに合わせて今回のつけだれに合うお野菜たちを盛りました。

  • 天の川の川辺には、さっと茹でたシャキシャキのおかひじきと、ブロッコリースプラウトを敷きました
  • 川辺に咲く黄色い花は、甘みののってきた旬のとうもろこしを茹でて、実をはずして散らしました
  • 天の川にかけた橋は、大根をかつらむきの要領で厚めにむいたもの
  • 天の川の橋の欄干は、かわいいピンクのそばの芽
  • 織姫、彦星の星と、川のハートは、水の代わりにトマトの汁で練った白玉だんご

しそジュース

去年、いろんな方からしそジュースをいただきましたが、中でも一番飲みやすくてすっきり美味しかったしそジュースのレシピを教えてもらってきましたよー!「いつも力仕事をがんばっている大好きなお父さんのために」奥様が作っているステキなレシピです。酢やレモンなどで作ったものもありますが、さっぱり美味しかったのは、クエン酸を使ったものでした。クエン酸は疲労回復にも役立ちますので、これからの季節作っておくと便利ですね。

水で割って、ソーダで割って、焼酎を入れてもおいしいので、ご家族でどうぞ。

今回は、一升瓶一本分の分量です。
  1. 赤しそ(1袋=だいたい300gくらい)は、葉を摘んで水で洗います。
  1. 鍋に2.2Lくらいの湯を沸かし、沸騰したら洗った赤しその葉を入れます。

    *一升瓶に入るのは、1.8Lですが、煮詰める分多めの水でスタートします。

  2. 2-3分煮出すと葉の赤い色が水に移り、葉の方は緑色になります。
  1. 葉が緑になったら葉を引き上げて、漉します。

    *葉を絞るとエグミが出るので、自然に漉すだけで良いですよ
  1. 赤くなった煮汁に、クエン酸(30gくらい)と、氷砂糖(500g)を入れて、30分くらい表面がふつふつした状態で煮詰めます。

    * クエン酸を入れた時の色の変化を見ていてくださいね!!実験みたいでとっても楽しいです。
    * クエン酸は、薬局で販売しています。
    * クエン酸の量はお好みで調整してください。
  1. 一升瓶をキレイに洗い、電解水やアルコールで消毒するか、煮沸消毒をしてから、ビンの口いっぱいまで注ぎ、熱いうちにフタをします。

    * ビンの消毒はしっかりと。フタをする時、空気を入れないようにすると、しばらく保存出来ます。冷めてくると水位が下がりますが、真空状態になっているので、そのままで大丈夫です。一度フタを開けたら、冷蔵庫に入れて保管します。

 

それでは、笹の葉サラサラお素麺♪な食卓を盛り上げる今回の主役。

素麺(そうめん)
夏は素麺ですねー。食欲がない日でも、なぜかつるつると食べてしまう素麺。細くてゆで時間が短い分、丁寧に茹でないと食感が悪くなってしまいます。超定番の「揖保乃糸(いぼのいと)」は、「やっぱり誰が茹でても美味しく食べられる!」と、ロコディッシュのスタッフの間でもファンが多い一品です。

選び方

「手延べ」か、「機械」か。金額もかなり違いますね。当然、手延べの方が高いのですが、喉ごし良く、茹でた後も麺がだれずにしっかりしているものが多いです。人の手で作られたものは、やはり美味しいものだなーと、私は断然手延べ派です。

基本的な調理

  • 必ず、たっぷりの熱湯で茹でること。
  • 必ず、沸騰した湯に入れ、再沸騰するまで強火にしておくこと
  • 指定のゆで時間を守ること。
  • 茹で上がったら、すぐ流水で冷やしながら洗うこと

カンタンなことですが、こんなことをきっちりやるだけで、おいしい素麺が食べられますよ。

保存方法

乾麺だと、つい賞味期限を忘れがち・・・。たいてい2年以上と長いですが、しっかりチェックして、おいしいうちに食べましょう。 そして保存する時は、湿気に弱くカビることもあるので、直射日光の当たらない風通しの良いところに置いておきましょう。 周囲の匂いがつきやすいので、ファスナー付きのものやタッパーに入れておくのも◎です。


   
赤しそ

7月下旬まで手に入るかな・・・終わらないうちに、早めに手に入れていただきたいです。数年前までは、梅干しを漬ける方くらいしか購入しなかった赤しそですが、TV番組でアレルギーの症状を緩和するなどの紹介があってから、赤しそジュースが流行り、新浦安でも何軒か販売しているお店があります。

選び方

枝付き、土付きのものは、鮮度が落ちにくいので、見た目の洗浄されているキレイさに惑わされず、葉の元気なものを選びます。調理する前にボウルでジャブジャブ洗えばすぐにキレイになるので問題なし!です。

栄養

糖や脂肪の吸収を防ぐといわれているロズマリン酸を含んでいて、ダイエット効果があると言われています。 が、やっぱりこれだけたくさん飲んでも痩せていくわけではありませんので、定期的に少しずついただくのが良いと思います。 情報に左右されて、大量に摂取して、すぐ飽きてしまう・・・これって、楽しくないと思うんです。せっかくおいしいものなのに食べなくなってしまうのは、本当にもったいない!栄養とその効果を知っている上で、おいしく、楽しく、バランス良く食べていって欲しいなと思います。

   

7月7日(土)七夕の日は、『LocoDish流しそうめん祭り』
実は、流しそうめんをやりたいためだけに企画したイベントです。
詳しくは、コチラをご覧ください。
来月もお楽しみに〜♪