季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第17回 「たまにはね。おうちでデート気分♪な、食卓の巻」


6月。梅雨の季節ですね。先日、「アレッタ千葉」6月号の特集『ココロ弾むrainy days』にレシピ提供しました。雨の日は、おうちで楽しくお料理をしよう!というお料理レシピ。雨の日にお料理したら、せっかくだから大好きな人を呼んで、おうちだけどカフェでデートしているみたいな食卓になったらいいなぁーと思って作りました。雨音+好きな音楽=オリジナルBGMの中での食事。ゆっくりいろんなお話しながら食事したら、いつもみたいに「あー。これお話したかったのに言い忘れちゃった。」なんてこともなくなりそうでしょ?

アレッタ千葉では、一部しかレシピ紹介出来なかったのですが、今回その全貌が明らかに!!

それでは早速、おうちでデート気分♪な食卓です。

これぞカフェ!という感じの白の大きなプレート。「大皿は来客がある時だけしか出さないわ。」という方もいらっしゃいますが、一人分の食事を全部盛り込むと意外とちょうど良い。同じ大皿を何枚も持っている方はなかなかいないと思いますが、大きさや色柄がそれぞれ違うのもまた、かわいらしいテーブルになりますよ。 大きなプレートに、小さな器を重ね置きすると、とってもカフェっぽくなります。

それでは、お料理の説明です。

玄米+きび+落花生ごはん

季節の食卓2007年2月号でも登場した、玄米+きびのごはん。これなら、もし彼が白米派でも、おいしく食べてくれると思いますよ!私の彼(ウソです。うちの白米派男性スタッフです)も、「これは食べやすくて好き!」と言っていました。これに私の大好きな落花生を渋皮ごと混ぜ込んで。色も渋くてキレイです。


  1. 玄米ともちきびを、水でささっと洗います。
  2. 玄米の水量に、もちきびと同量の水を追加して入れます。
  3. 塩をひとつまみ入れます。
  4. 5-6時間浸水して、炊きます。
    *もちきびは、玄米の2割くらい入れてみました。
  5. 千葉県産煎り落花生の殻を剥き、皮つきのまま刻みます。
  6. 炊きあがったら、落花生を混ぜ込み、俵型に結んで黒胡椒を振り、海苔を巻きます。


味噌ミルクポタージュ

ごはんにかける、味噌風味のポタージュ。じゃがいもを多めに使って、しっかり濃度をつけて。ごはんだけでなく、周りのお野菜を絡めて食べてもおいしいですよ。余ったら冷凍保存しておけば、いざという時パスタに絡めたり、温野菜サラダのソースにしたり・・・と、大活躍です。

 
  1. まず、鰹と昆布で出汁を取ります。 出汁の取り方は、季節の食卓2006年9月号参照
  1. 鍋にバターを熱し、千切り生姜1かけ分を入れ、弱火であたためます。
  2. 香りが出てきたら、薄くスライスした玉ねぎ1個分を加えて、中火で炒めます。
  1. 玉ねぎが透明になってきたら、よく洗って皮付きのまま1cmくらいにカットしたじゃがいも3〜5個くらいを入れて一緒に炒めます。
  1. じゃがいもの周りが透明になってきたら、出汁をじゃがいものアタマがかぶるくらい入れて煮込みます。 * 残った出汁は、おみおつけで使います。
  じゃがいもを煮ている間に、トッピングのごぼうを作ります。
  1. ごぼうをたわしでこすって土を洗い、ピーラーで薄切りにしながら水にさらしてアク抜きします。
  1. キッチンペーパーでしっかり水気を切ります。
  1. 180度の油で揚げ、カリカリになったら油を切っておきます。
  1. じゃがいもが柔らかくなったら、ミキサーでペースト状にします。
    * 熱いのでヤケドに注意!
  1. 鍋に戻して温めなおし、少し味が濃いかな?と思うくらいの量の味噌を溶きます。
  1. タマゴを2つ溶き入れて、ゆっくりかき混ぜていきます。
  2. 最後に牛乳で好みの固さまで緩くして、塩・胡椒で味を調え、ごはんにかけて、上に揚げたごぼうをのせます。

 

お野菜のオリーブオイル焼

旬の空豆、新じゃがいも、かぶ、白ねぎをオーブン焼きに。ハーブで香り付けしたオリーブオイルで和えてオーブンに入れるだけ。いろいろなお野菜で試してみてくださいね。水分の多い根菜類は、オーブン焼きに向いています。

  1. 新じゃがいもは、皮が柔らかいので手で軽くこするように土を洗い流し、皮付きのまま使います。かぶも皮付きのまま手で洗って土を落とし、茎の間にある土を竹串などを使って掻き出し、くし形に切ります。白ネギは洗って適当な長さに。

    *なるべく大きさを揃えると盛りつけた時にキレイです。あまり小さく切ると水分が抜けすぎて乾いてしまうので、食べたときジューシー感が残るように大きめカットで。

  2. フライパンに、包丁の背で叩き潰したにんにくと、ローズマリー、オリーブオイルを入れ、弱火でゆっくり温めます。
  3. 香りが出てきたら、下ごしらえした1.のお野菜を入れて、弱火にかけたままオイルを和えます。
  1. 鉄のフライパンならそのまま、180℃のオーブンに40分くらいいれます。
    *オーブンに入れられないフライパンの場合は、オーブン用の耐熱容器に移し替えます。
  1. オーブンにかけている間に、空豆をさやから出し、黒い部分に少し切り込みを入れます。
  1. 塩を入れて沸騰させた湯で2分くらい固めに茹でたら、皮をむいて、オリーブオイルで軽く和えておきます。
    *皮を剥くときは、黒い部分を取ると、そこからつるんと出てきます。

  2. オーブンが最後の5分になったら、一旦開けて、竹串で新じゃがいもを刺してみます。柔らかくなっていたら、そこに空豆を入れて最後にもう5分かけて、出来上がり。

おぼろ豆腐のおみおつけ

雨の中やってきた彼に、あったかいおみおつけは必須です!ぜひ、おいしい出汁を取るところから作ってあげてくださいね。定番の豆腐のおみおつけも、こうして小皿に入れてプレートに盛るのもかわいいでしょ?

  1. ポタージュを作る時に取った出汁をあたため、沸々したら味噌を入れます。気持ち味噌味を薄めにしておくと、お豆腐の甘みが引き立ちます。
  2. お豆腐を器に盛って、電子レンジで温め、出てきた水気を切っておきます。
  3. 沸騰直前で火を止めて、豆腐を入れた器に注ぎ、上に穂じそをのせます。

    *穂じその代わりに、小ねぎでも。

ベビーリーフとスプラウトの胡麻マヨサラダ

ベビーリーフとスプラウト。どちらもお野菜の赤ちゃんです。最近ではスーパーでいろんな種類が買えますね。水耕栽培が主流のスプラウトですが、千葉では土壌栽培している生産者さんがいます。手間がかかりますが、当然土で育ったスプラウトは、味も見た目も栄養価もそのパワーの差は歴然!


  1. お好みのベビーリーフとスプラウトを水で洗って土を落とし、冷水に15分くらいさらしてシャキッとさせます。
  2. 白いりごまを、少し油が出てしっとりするくらいまでミキサーにかけます。
  3. 薄口醤油、みりんを少しずつ入れて、固めのペースト状にします。
  4. マヨネーズを少しずつ足して、お好みの味に。
  5. ベビーリーフとスプラウトの水気を切って、胡麻マヨネーズソースでふんわり和えます

    *和える時間が長かったり、和えてからしばらく置くと水っぽくなってしまい、盛りつけた時においしそうに見えないので、食べる直前に手早く和えます。

 


びわ寒天

千葉の初夏は、びわ!郵便切手の果物シリーズでも「千葉・びわ」でしたね。季節を感じるびわをまるごと寒天に閉じこめて。

  1. びわは、ヘタの部分を外して、皮をむきます。
  1. 種付きのまま鍋に入れて、アタマがかぶるくらいの水と、絞ったレモン汁、輪切りにしたレモンを入れ、はちみつを加えてお好みの甘みをつけて、火にかけます。沸々したら、弱火にしてコトコト静かに煮ます。
  2. 20分くらい煮たら火を止め、煮汁に漬けたまま粗熱を取ります。
  3. びわの煮汁を切って、器に入れます。
  4. 煮汁の甘みや酸味は足りなかったら、レモン汁とはちみつで調整します。
  1. 煮汁の分量を量っておき、鍋に入れて沸騰させ、粉寒天を指定の分量よりやや少なめに入れて煮溶かし、そのまま1〜2分沸騰させて火を止めます。
  2. びわを入れた器に、煮汁を流し、冷蔵庫で冷やし固めます。

それでは、おうちでデート気分♪を盛り上げる今回の主役。

空豆/蚕豆(そらまめ)
サヤが天に向かって伸びるから「空豆」、サヤが蚕(カイコ)の形に似ているので「蚕豆」と両方の字が使われます。呼び名も地方によっていろいろあって、収穫時期によって「四月豆」「五月豆」「夏豆」など、たくさんあります。一ヶ所の地域で獲れる時期が短く、旬がはっきりしているので、出回る時期にぜひ楽しみたい食材ですねー。

選び方

サヤから出すと、甘みが減っていくスピードが早くなるので、サヤ付きのものを買いましょう。サヤがふっくらしていて、張りのあるもの、黒ずんでいないものを選びます。

基本的な調理

サヤのまま熱を入れて調理するのが一番香りが残っておいしいです。ロコディッシュでは、サヤのまま網焼きにしています。サヤが蒸し器代わりになって、両面に焦げ目がつく頃、ちょうど良く中の豆が蒸されています。熱の入れすぎは味が落ちるので、焼きすぎ、茹ですぎに注意しましょう。

保存方法

買ってきたその日のうちに調理して食べるのがベスト。なるべく早いうちに。サヤから出すと急激に味が落ちるので、サヤから出して調理する場合は、調理の直前に出します。


   
枇杷(びわ)

千葉県は枇杷の特産地。富浦町の「房州びわ」は、皇室に毎年献上しているのだそうです。5月から出回っていますが、ほとんどのものはハウス栽培。6月頃から、露地ものが出始めます。旬を迎えて、価格も下がって、味も栄養価ものっているこの時期、枇杷を堪能しましょうよ!

◆枇杷についてのとっても楽しいサイトを見つけました!
地域を支える房州びわ

◆『びわ太郎』が、たまりません!びわ博士になれますよ。
びわ博士クイズ

◆びわ狩り!びわカレー!びわソフト!びわの葉パン! 行ってみたぁーい!!
道の駅とみうら 枇杷倶楽部

栄養

 

保存方法

びわは、日持ちしないので、買ってきたらなるべく早く食べましょう。 保存する場合は、一回煮て、煮汁と一緒に冷蔵庫に入れて保存すれば5〜7日くらい持ちます。種を取って果肉だけにして、ジャムにするのも良いですね。

   

来月もおいしいもの見つけておきますね!お楽しみに〜♪