季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第16回
「ここらで1回リセットしよう。なんとなく薬膳的な食卓の巻」


4月に新しい環境になって、意外とがんばって気を遣っている自分がいたりして。1ヶ月経ってやっと慣れてきた5月。GWにホッと一息ついたとたん、あれ??なんて・・・ここ数ヶ月、精神的にも大変な時期でしたね。よくがんばりました!私も12年間OLだったから、よくわかります。「そんなのへっちゃら!私マイペースだし。」なんて言っていても、身体はウソをつきませんものね。

さ、そんな「カタン」と崩れ落ちる可能性を秘めた危険な5月。薬膳料理で、心も身体も、1回リセットしておきましょう。そもそも「薬膳」って、中国が起源の料理による健康法のこと。掘り下げていけば、それはそれは深いものですが、そんなに難しく考えず、普段の料理に薬膳的な食材を使って、気楽に作ってみましょう。 今回は、心と身体をリセットするためのストレス解消、季節の変わり目で最近私がちょっぴり…いえいえ、だいぶ気になっている肌質改善に効果を発揮すると言われる食材を使ってみます。

それでは早速、なんとなく薬膳的な食卓です。

薬膳料理というと、艶々で真っ白な白磁の器だったり、絵付けの美しい器で全部揃えて盛られているイメージですが、おうちで気軽に楽しむ今回の薬膳“的”料理は、いつもの器で気軽にいきましょう。 メインになる食材の色・・・黒米の赤飯色、木の実の優しいベージュ、真っ赤なクコの実、卵の黄色、豆腐の白、白花豆のほんわかしたクリーム色・・・それぞれ邪魔しないような器の色にしました。私はやっぱり陶器の土感のある白が好きみたい。白っぽい器が映えるように、下は濃いめの紫のクロスを敷きました。

それでは、お料理の説明です。

押麦と黒米の凍頂烏龍茶粥

水溶性と不溶性の食物繊維が豊富な大麦を火の通りが良くなるようにした押麦。ミネラルバランスが良く、病気への抵抗力を高め、中国では皇帝に不老長寿の米として献上されていたという黒米。これらを白米に混ぜて、胃に負担がかかりにくいお粥にしました。お好みの中国茶で炊いて香りの良い茶粥に。


  1. 1合当たり1200ccの熱湯に凍頂烏龍茶葉12gを入れ、フタをして冷めるまで放置し、こします。



  1. 白米を研ぎ、30分以上ざるに引き上げておきます。 白米と、白米の2〜3割の押麦、押麦の半量の黒米、天然塩を鍋に入れ、全体の5倍の凍頂烏龍茶を注いでフタをして強火にかけます。
  • 今回私が炊いた分量は、 白米1合、押麦1/4cup、黒米1/8cup、凍頂烏龍茶1200cc、塩ひとつまみです。
  • 烏龍茶の水量が極端にズレなければ、お好みの配合で大丈夫ですよー。 *押麦の代わりに、同じ大麦の自然麦や丸麦でも。


  1. 沸騰したら、弱火にして約40分。40分経ったらフタを開け、ざっくりかき混ぜます。


凍頂烏龍茶の佃煮

茶粥を炊いた時に残った茶葉で、佃煮を作りましょう。お粥と同じ香りの佃煮は、とっても相性が良い箸休めになります。凍頂烏龍茶のような半発酵のお茶は、体内の脂肪分を分解し、消化を助けると言われています。 普段のごはんにもどうぞ。しっかり煮詰めておけば、冷蔵庫で保存が利きます。

  1. お粥を炊いた時の残りの茶葉を細かく刻みます。
  1. 酒:みりん:醤油=1:1:1を混ぜて沸騰させ、茶葉を入れて水気がなくなるまで、しっかり煮つめます。

 

白花豆の豆腐汁

白花豆を茹でてペーストにし、周りに豆腐で作った汁を注いだ豆腐汁。豆は良質のたんぱくも多く、食物繊維も豊富です。豆腐と味噌の大豆、具の白花豆。不足しがちな豆類を補って、身体の調子を整えてくれます。

  1. 白花豆を軽く水洗いして、豆の3倍量の水に一晩浸しておきます。
  2. 豆腐はキッチンペーパーで包んでタッパーに入れ、冷蔵庫で水切りしておきます。
  1. 豆を浸しておいた水ごと鍋に入れ、強火にかけます。
  2. 煮立ったら弱火にして、豆が水面に出ないように時々水を足しながら、柔らかくなるまで煮ます。(40分〜60分くらい)
  1. 塩を入れ、ミキサーでペースト状にします。
  1. 水切りした豆腐を鍋に入れ、ペースト状にします。泡立て器だと作りやすいです。
  2. 出汁、白味噌、塩をそれぞれ少しずつ入れながら混ぜ込み、好みの柔らかさと味になるまで調整しながら、ゆるくのばしていきます。
  3. 器に白花豆のペーストを山型に盛り、周りに豆腐汁を注いでいきます。最後に小ねぎを振って出来上がり!

海老と椎茸の炒め 黒酢はちみつあんかけ

漢方学的には、疲労回復に効果があり身体を温めると言われている海老、コレステロールや血圧を下げる効果があると言われている干ししいたけを使います。あんかけのあんには、疲労回復に効果があると言われる黒酢とはちみつを使います。

  1. 黒酢:はちみつ=5:4で混ぜ、清潔なビンなどに入れておきます。冷蔵庫で保存が利くので、多めに作っておくと便利です。
  2. 干し椎茸を水に浸して、冷蔵庫で一晩置いて戻します。
  • 時間がない場合は、干し椎茸にぬるま湯を入れて電子レンジに数分かける(時間は量によって変わる)方法もありますが、椎茸と戻し汁の旨味が減ります。

  1. 白ねぎを粗みじん切りにします。縦4つくらいに裂いてから切ると、カンタンに粗みじん切りが出来ます。
  • 細かいみじん切りにしたい時は、縦にたくさん裂いておきます。
  1. 胡麻油を熱し、みじん切りにした生姜と白ねぎを炒めます。途中で塩を軽く 振って、白ねぎがしんなりするまで炒めます。
  1. 椎茸を好みの大きさに切っていれて炒め、続いてむいた海老もいれます。
  1. 海老に火が通るか通らないかのうちに、椎茸の戻し汁を足して溶いたタ マゴを入れ、ざっくり大きくかき混ぜて、タマゴに少し半熟のところが残って いるくらいで火を止めて、器に盛ります。
  2. あんかけを作ります。干し椎茸の戻し汁、酒、黒酢はちみつ、塩、胡椒、 を鍋に入れて、好みの味に調整します。炒めものが薄味なので、少し濃 いかな?というくらいがちょうど良いと思います。
  3. 強火にかけて、沸騰したら、水で溶いた片栗粉をまわしかけ、勢いよくかき 混ぜます。出来れば鍋も振ってください。のんびりしていると、片栗粉が 1ヶ所に固まって、ダマが出来てしまうんです。 全体に混ざって、とろみがついてきます。その後も強火のまま40秒くら い熱しておくと、粉っぽさが消えておいしい「あん」になります。 あんをかけて出来上がり!

黒胡麻白玉入り木の実汁粉

何を隠そう、私は大のナッツ好き!前世は、リスだったんじゃないかと思うくらいです。松の実・クルミ・落花生には老化を防ぐビタミンEが多く含まれていたり、コレステロール値を低下させる脂肪分が含まれていたり・・・


  1. クルミ・松の実・落花生をミキサーで粉末にし、きなこも混ぜます。配分に決まりはないので、お好みで。
  • 落花生の渋皮には、血液をサラサラにする効果があるポリフェノールの一種が含まれています。私はいつも渋皮も一緒に食べるので、今回も渋皮ごと粉末にしました。
  1. 黒胡麻をミキサーですりつぶし、さらに黒練り胡麻を加えて練り、はちみつも加えて白玉だんごに入れる黒胡麻餡を作ります。
  1. 白玉だんごを作ります。白玉粉に少しずつ水を入れながら、耳たぶくらいの固さに練ります。

  1. 白玉の生地を丸めて中央にくぼみを作り、黒胡麻餡を入れて包んでいきます。

  1. 鍋にお湯を沸かし、沸騰したら白玉だんごを入れます。だんごが浮いてきたら、2分くらい茹でて、冷水に取って冷やします。
  2. 1.で作った木の実ときなこの粉末を熱湯で溶いて汁粉にし、はち みつで食べやすく甘みをつけます。白玉だんごを浮かべ、クコの実 をのせて出来上がり!

それでは、なんとなく薬膳的な食卓の今回の主役。

白花豆(しろはなまめ)
白花豆 と白いんげんは、植物学的には別のものですが、同じインゲン属で形も似ているので、同じ物として売られていることが多いです。 2年くらい前から、ダイエットに適した食材ということで話題になったので、国産のものが少なくなっているようです。国内の産地では、北海道が有名です。

栄養

一時期、白いんげんに含まれるファセオラミンという物質が体内の余分な炭水化物の吸収を防ぎ、ダイエット効果があると話題になりましたが、効果については・・・???

こればかり食べていても×だってことですね。でも、食物繊維やビタミンB1も多く、体調を整えてくれますので、1日80gの豆類を食べる目標の中のひとつとして美味しくいただきたいですね。何でもバランスが大切ですね

保存方法

一時期、白いんげんに含まれるファセオラミンという物質が体内の余分な炭水化物の吸収を防ぎ、ダイエット効果があると話題になりましたが、効果については・・・???

こればかり食べていても×だってことですね。でも、食物繊維やビタミンB1も多く、体調を整えてくれますので、1日80gの豆類を食べる目標の中のひとつとして美味しくいただきたいですね。何でもバランスが大切ですね

 


   
黒米(くろまい/くろごめ)
ロコディッシュでも、黒米を入れて炊いたごはんをお出ししています。白米にいれるともちっとした食感に。何より色がとってもキレイ!なんだかおめでたい気分になるのです。とっても食べやすく、クセもないので、子ども達もペロリ!の人気者です。

栄養

白米よりも、ビタミンB1、B2や、ビタミンEが多く、ミネラルも豊富です。黒い色は、ポリフェノールの一種アントシアニンで、抗酸化作用があります。成人病予防のパパにも、栄養バランスを調えたいお子様にも、キレイでいたいなーという奥様にも。お弁当もかわいらしくなりますよ

保存方法

お米の保存方法と同じ。直射日光を避けて、冷暗所で保存します。
炊いたお米は、白米同様、冷凍保存できます。

   

来月もおいしいもの見つけておきますね!お楽しみに〜♪
ロコディッシュの3周年記念に、ソフトクリームを始めました!
その名も“Soft Milk Cream!” コクがあって、まろやかで、後味すっきり♪
他では味わえないソフトクリームです。