季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第27回  VIVA!鴨川!!な食卓の巻

叔父が入院したので、鴨川の亀田メディカルセンターにお見舞いに行きました。到着してびっくり!!まるでホテル!フロントのような受付があり、横にはタリーズコーヒーが。それだけでも驚いたのに、最上階には2面ガラス張りで、目下に壮大な海が広がるレストランン。叔父の点滴のタンクを見るたびに「そうだ、ここ病院だったんだねぇ。」なんて言っていたくらい。叔父の体調が良かったこともあり、つい旅行気分になってしまった私は、帰りにタクシーの運転手さんに「鴨川の生産者さんが作っているものを買えるところに連れて行ってください。」とお願いしました。

到着したのは、ファミリーセンタータカヨシ鴨川店。道の駅みたいに、地元の生産者さんが作ったものがずらりと並んでいました。

採れたてで元気いっぱい!安い!おいしそう!お野菜はもちろん、精肉や魚、加工品や生産者さんの愛に溢れたお総菜たちまで。房総ってすごいや!鴨川ってすごいや!と食材の豊富さに改めて感動・・・VIVA!房総!viva!鴨川!!

ウキウキしながらいろいろ買ったので、今日は鴨川の食卓です。

それでは早速、VIVA!鴨川!!な、食卓です。 

このラインナップ、ごはんおかわり間違いなし!

ひとつのおかずでごはん一杯ずつ食べてしまいそうです。ごはんを食べるためのおかずシリーズですね。お野菜も、春の柔らかな甘みのものが多かったので、極シンプルに調理。春ですね。色もキレイなものが多いので、自然に白や白木に盛りつけていました。

「ジャイアンのごはんみたい!」てんこもりにごはんを盛って、幸せな気分です。

それでは、お料理の説明です。

葉たまねぎのとろとろ煮

わぁーステキっ!!葉たまねぎを見て大興奮してしまいました。春の短い期間だけ出回る、葉たまねぎ。たまねぎの子どもみたいなものです。最近、ハマっている甘強みりんとパハール岩塩だけで、丸ごとトロトロに煮てみました。

*葉たまねぎは、曽我辺しづ江さんの作品。
  1. 葉たまねぎはキレイに洗って、葉の茶色くなったところだけを切り、芯をくり抜きます

*葉が飛び出しても気にしない


*すぐに柔らかくなって鍋に入ります
  1. 鍋に葉たまねぎと、ギリギリかぶるくらいの水を入れ、甘強みりんを200ccくらい、パハール岩塩を10gくらい入れて火にかけます

    *葉が飛び出たって気にしない。すぐにクタクタになって葉も煮汁に浸かります。そのくらい時間差があった方が良いくらいです

  2. 沸騰したら、弱火でクッキングペーパーをかぶせてコトコト煮込みます
    たまねぎが半透明に柔らかくなったらできあがり!器に盛ってバターをのせ、醤油をさっとまわしかけていただきます

 

わけぎのはちみつ味噌

なんですか。このわけぎは!沖縄の島らっきょうかと思いました(笑。すぐ根を取ってそのままかじってみると、これは酒の肴にぴったり!・・・というわけで、生でポリポリいただくこと決定です。葉の部分は少し苦みが強かったので、さっと茹でて、和えました。

*わけぎは、杉山康男さんの作品

  1. 葉の部分は適当な長さに切ってざるに乗せ、沸騰したお湯を回しかけてそのまま冷まします
  1. 味噌と、味噌の半分量のはちみつを鍋に入れて、弱火にかけながら練ります


  2. 葉の水気を切って、生の白い部分と一緒にはちみつ味噌で和えます

 

山東菜の岩のり漬

好きなんです。山東菜。本当にキレイな黄緑色。漬物に適している菜っぱという意味で「つけ菜」という名前で売られていることもあります。ロコディッシュでは、納豆昆布漬けにしてお出しすることが多いです。今日は、これも鴨川で作られた岩のり佃煮で漬けました。優しい味の岩のり佃煮は、山東菜の柔らかな甘みを残したまま包み込んでくれます。

*山東菜は、松井ときさんの作品、岩のり佃煮は、山六さんの作品です。

  1. 山東菜はよく洗って、繊維に対して直角に3cmくらいに切ります

  2. 納豆昆布を適量入れ、白だしをさっとまわしかけて、全体をよく混ぜます(納豆昆布のねばりが出てきます)

  3. しんなりしてきたら、水気を切っていただきます

 

菜の花のアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ

房総の菜の花は、とっても有名ですね。そうそう、こうして葉物らしく売られているのが好きです。スーパーで販売されているものは、合理的に梱包するために、同じ長さに切ったり、茎を折ったりして、紙に包まれていて、あれはどうも好きじゃないんです。菜の花だって、生きているのに・・・って思います。もう4月。菜の花も市場に出回って3ヶ月くらい経ちます。いつもとちょっと違う食べ方をしてみましょう。スタッフにも大好評の一品!

*菜の花は、農園ごんべえさん作

  1. 菜の花を洗い、茎の太いものは筋に沿って切れ込みを入れ、水にしばらく浸してシャキっとさせます

  2. 塩を入れた熱湯で、茎から先にさっと茹でます

  3. フライパンに叩いてつぶしたニンニク1片と、鷹の爪を1-2本、それらが全部浸るくらいのオリーブオイルを入れて、弱火にかけます

  4. 香りが出てきたら、3cmくらいの長さに切って水気をしっかり絞った菜の花を入れ、全体にからめるように混ぜ合わせて、塩をふって出来上がり

 

春キャベツのオーブン焼

春キャベツは、柔らかいので、生食か軽く火を通すくらいがおいしいです。芯も柔らかくて甘いので、全部食べられます。キャベツって、ホントにおいしい野菜だなぁーと、再認識です。

*このすごい春キャベツは、曽我辺しづ江さんが作ったもの。甘い葉たまねぎといい、すごいなぁ。しづ江さんは。
 
  1. 春キャベツは、ざくっと櫛形に1/8くらいに切ります

  2. 200℃のオーブン(トースターでもOK)で周りに少し焦げ目がつくくらいまで焼きます。少し水気が出てくるくらいがちょうど良いです

  3. 美味しくて、調味料は何もいりませんでした。お好みで塩をふっても

 

 

クレソンの天ぷら

いやぁー。これもまたすごいクレソンで、味が濃い!!そのまま食べたい気もしましたが、一般的なものより味が強いので、小麦粉をつけてさっと揚げて強すぎる辛みを和らげました。岩塩をさっと振って、パリパリおいしい!これも、あっという間に平らげてしまった人気メニューでした。

*味の濃いクレソンの生産者は、サチエさん。お見事!!

  1. クレソンは、さっと洗い、茎をしばらく水につけてシャキっとさせます

  2. ビニール袋に小麦粉とクレソンを入れて、シャカシャカ振ってクレソンに小麦粉をまぶします

  3. 油を180℃に熱し、クレソンを入れてさっと揚げます。濃い半透明のグリーンになるころが上げ時。茶色くなると苦みが出るので注意です}

  4. 油を切って、岩塩を振って出来上がり

 

 

フルティーまあちゃん

名前だけで買ってしまいました。インパクトが強すぎます。娘さんか、お孫さんだと思われる、たぶん「まあちゃん」の写真付きです。夏に冷えたトマトは確かにおいしいですが、まだ春ですし、せっかくですから、甘みを感じやすい常温でそのままいただきます。皮がしっかりしていて、昔ながらのトマトかと思いきや、ぷちっとはじける果汁は最近流行りの甘い甘いフルーツトマト。塩もいらない。食後のフルーツのように満足感のあるトマトです。

*フルティーまあちゃんの生産者さんは、御子神さん。ステキな名前です。

 

ピーナッツみそ/あみ佃煮/焼えび煮/梅干

買ってはいけないものを買ってまったシリーズ。こんなの買ってしまったら、ごはんが止まりません。ごはんを食べるために生まれてきたようなこの総菜たち。ニッポン万歳!!

*ピーナッツみそは、木村ピーナッツさんのもの。あまじょっぱく、時々カリカリと入ってくるピーナッツみそ。豆好きな私はたまらないのです。好きです千葉。

*あみ佃煮は、マツダヤさん。なつかしく、優しい味。

*焼きえび煮は、実は初めて食べました。これはおいしい!!お茶うけにもぴったり。手が止まりません。正和物産さん、ありがとう!!

*梅干しは、コレコレ!というくらいの酸っぱさ。しょっぱいのではなくて、ちゃんとすっぱい梅干し。果肉もぶりぶりしていて、たべごたえがあります。「原材料名:梅 塩」と、手書きで書かれた畠山藤太さんのもの。

 

小イワシ生姜煮

片口イワシを、砂糖と生姜と醤油でコトコト煮付けました。という感じ。おふくろの味的な、シンプルで時間をかけて炊いてくれた味。もちろん骨まで柔らかく、アタマから全部食べられます。

*あみ佃煮と同じマツダヤさん

 

すあま&豆大福

すみません。衝動買いです。だって、すあま好きなんですもの。しかも、撮影中に我慢できなくて、つい食べてしまいました・・・。大福の皮の綴じ目が、手で閉じたんだなぁーと、ほっとしてしまう甘味でした。

*すあま&豆大福は、創業明治「亀屋」さんのもの

 

それでは、VIVA!鴨川!!の今回の主役。

葉たまねぎ

そんなぁ・・・今回は、主役なんて決められないですよ。どれもトキメキました。菜の花は第2回(なつかしい!!)で主役になっているので、もうひとつの春らしいもの「葉たまねぎ」にします。

たまねぎは、緑の大きな葉がついて、それが枯れて倒れるころに収穫するというのが一般的ですが、葉たまねぎは葉が倒れる前に収穫して葉も鱗茎(りんけい=通常食べる白いところ)も両方いただけるというものです。

ただ、通常よく見る一般的なタマネギを、ただ早く収穫するというよりは、葉たまねぎ専用に育てているそうです。

「ながいき葉玉」という葉たまねぎが、今回の鴨川の隣りの隣り村、「長生村(ちょうせいむら)」で作られていて、(長生=ながいき)スーパーでも何度か見かけました。

 

一般的なタマネギよりも辛みが少なく、甘みが強いので、生食にも適しています。芯と根の堅いところ以外は全部食べられます。

3月15日(土)、タイヤキカフェ&ダーツバー『NEO』が
富岡のパークスクエア内にオープンしました!!

いろいろな種類のタイヤキをご用意してお待ちしています。
ぜひ、遊びに来てくださいね♪