季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第26回  くるくる巻いてお花畑を作ろうの巻

 今月、富岡のパークスクエア内に「NEO」というたいやきカフェ&ダーツバーをオープンすることになりました。朝から晩まで、息つく間もなくバタバタの毎日…そんな中、免許の更新手続きに幕張へ。そして、突然ぽっかり空いた講習開始までの15分。外のベンチに座り、空を眺める。

春ですねぇ…

幕張の高層ビルも春の光に包まれてやわらかいもののように見え、緑の木々も透明なキラキラした光に覆われていて、初めて見るような色でした。

そうだ。食卓にお花畑を作ろう!

以前、フリーペーパー「浦安に住みたい!」(明和地所発行)のコラムで、房総の郷土料理「太巻き祭り寿司」を作って載せたらとっても好評でしたので、今回はその作り方をご紹介しつつ、アレンジにも挑戦してみました!

それでは早速、くるくる巻いたお花畑の食卓です。

ごはんのお花畑は、ホームパーティーにもぴったり。グリーンの中に、太巻き祭りずしのお花畑。
グリーンのお野菜には、マヨネーズにクランベリージュースと赤ぶどうジュースを混ぜたさわやかなフルーツドレッシングをかけ、太巻き祭りずしの下には薄焼き卵を敷きました。
自然の食材を使えば、自然な色が出てきます。自然な色同士は、互いにバランスを取って上手に馴染んでくれます。
こうして作ってみると、スプラウト、ベビーリーフ、お米も、海苔も・・・ぜんぶ千葉県産。千葉は春らしい食材が多くて幸せな気持ちになります。

それでは、お料理の説明です。

まずは、色のごはんを用意します。

桃色のごはん

桃色ごはん・・・桜でんぶでピンクにするのが定番ですが、着色料などにたよっていることが多いので、季節の食卓第16回でも登場した黒米を使いました。クセがなく、もちもちしていて食べやすいので、以前ロコディッシュでおむすびにして出した時は、お子様にも大人気でした。普段の食事にもどうぞ。

4合分のレシピです。
  1. 米(4合)を研いで30分くらいざるにあげておきます。

  2. 黒米(大さじ4)と塩ひとつまみ入れて、分量の水に黒米分(大さじ4)の水を足して炊飯器で炊きます

 

黄色のごはん

黄色いごはんは、サフランを入れて炊き込みました。サフランライスは油を使うことが多いのですが、今回は巻きやすいようにと、他の食材と一緒に巻くことを考えて、油を使わずに炊きます。

これも4合のレシピです。
  1. サフラン(約12本)を4カップのぬるま湯に浸して色を出します

  2. 米を研いで30分くらいざるにあげておきます

  3. 釜に米と、サフランを浸しておいた水を入れ、足りない分の水を足し、固形コンソメ(1コ)を入れて炊飯器で炊きます

 

緑色のごはん

緑は緑茶の混ぜご飯。粉末にした緑茶は、お茶をまるごと食べることになるので、飲んだ時よりも摂取する栄養価が高くなります。ちょっぴり苦めなので、お子様には青のりを混ぜ込む緑のごはんも良いです。

4合分のレシピです。

  1. 米(4合)を研いで30分くらいざるにあげておきます

  2. 分量の水を入れ、炊飯器で炊きます

  3. 緑茶をミルで粉末にしておきます

  4. 炊きあがったら緑色にしたいご飯の分量だけ取り出して、粉末緑茶と味をみながら塩も一緒に混ぜ込みます

 

その他の準備

ごぼう漬けなどのお漬けもの、佃煮、茹でたほうれんそうや菜の花、チーズ、かんぴょう、紫蘇の葉、たまごやき、薄焼きたまご、ソーセージ、ハム、などなど・・・各パーツにぴったりな色のものを用意します。最終的に切り分けるので、なるべく細かいものは避けた方が失敗しません。海苔でしっかり巻いて使うと、模様がしっかり出ます。

 

お花の巻き方

さあ、準備が整ったら、いよいよメインイベントの”巻き”です。


花びらを1枚ずつ巻いて作ります。

  1. 同じ幅に細く切った海苔を5枚用意します。海苔の上に桃色ごはんを敷きます。ごはんの量も均等に、同じ大きさになるように。花びらなので、花びら型を意識して、ぎゅっと。

枠の準備をします。

  1. まきすに海苔を1枚敷いて、海苔の上下を2cm空けて、250gくらいの白米を置きます

  2. 花びらが入るところは極薄くしてくぼみを作り、花びらの間になるところに均等に4カ所山を作ります

巻きます。

  1. くぼみに花びらの丸いほうを置き、ごはんの端から少しずつゆっくり巻いていきます

  2. 最後に閉じるところで、一旦手で持ち上げて、足りないようであれば白いごはんを少し足してカタチを整えてとじます

  3. きれいにとじたら、また作業台に置き、とじ目をぎゅぎゅっとします


切ります

  1. 一回切るごとに包丁をきれいに拭いて、水で軽く濡らして切ります

    *包丁はしっかり研いで、よく切れるものを使いましょう

    *まきすに巻いたまま、切りたい部分だけを横から出して切ると崩れにくいです

 

おさかなの巻き方

おさかな???そうなんです。3月15日パークスクエアにオープン予定のお店『NEO』は、「たいやきカフェ」。もう、たいやき型のことでアタマがいっぱい!NEOを担当しているみんなに、たいやき型の巻き寿司を差し入れしよう!というわけなのです。



パーツを作ります。

  1. 魚の目を作ります。1/6に細く切った海苔で、細く切ったチーズを巻きます

    *チーズは角を落としてなるべく丸くすると「目」らしくなります

  2. 巻きすに1/2に切った海苔を敷き、胴体になる部分が少し厚めになるように黄色のごはんを置きます

  3. 中央の谷から少しずれたところに巻いたチーズを置き、ゆっくり巻いてカタチを整えます

  4. 胴体の半分(1/4の海苔)で三角に巻いて尾を作ります

巻きます。

  1. まきすに海苔をのせて、緑のごはんをうすくのせます

  2. 魚のカタチに合わせてくぼみを作ります(口先と尾に当たる部分は極薄く)

  3. ゆっくり巻いていきます

  4. これも、巻き終わる前に一旦手で持ち上げて、とじ目にごはんがたりなければ足して、ゆっくりとじます

  5. とじたら、また作業台におろし、ぎゅぎゅっとカタチを整えます

切ります。     

  1. お花を作った時と同じ要領で切ります

 

スマイルの巻き方

なぜ、スマイル???実は、4月12日にロコディッシュのスタッフせんぱいと、まっきの『Carry Smile』がメジャーデビューすることになり、それはもう、うれしくて。お祝いの太巻き祭りずしは、スマイルでしょー。というワケなのです。


パーツを作ります。

  1. まきすに1/8に切った海苔を置き、梅干しと一緒に漬けこんである赤紫蘇を細く丸く巻いたものを2本作ります。これが目になります

  2. 巻きすに海苔を敷き、黄色いごはん(200gくらい)を薄くのせます

  3. 中央に口の長さに切った海苔を置き、口の端から等間隔のところにそれぞれ目を置きます

  4. 手で持ち上げながら、ゆっくり巻いていきます。中心の目印がないので、気をつけて

  5. お花やお魚と同様、最後のとじ目にご飯がたりなければ足してゆっくりとじ、一旦作業台に置いてとじ目をぎゅぎゅっとします

それでは、くるくる巻いたお花畑の今回の主役。

太巻き祭りずし

先月の節分で、恵方巻きを食べた方も多いのでは?スーパーやコンビニでも恵方巻コーナーが盛り上がっていましたね。もともとは大阪の商人が商売繁盛のために行っていたものだそうですが、実は千葉にはもっとステキな太巻きの文化があります。 房総の主婦の手で作られ、伝統文化として受け継がれてきた「太巻き祭りずし」。 お祝の時に作る太巻きで、桜、桃、梅、チューリップ、バラなどの花や、蝶、「寿」「祝」やアルファベットなどの文字、キャラクターの顔まで・・・すごく美しいアートな作品を作る方もいて、初めて見た時は本当にびっくり!お弁当にこんな巻き寿司が入っていたら、学校でヒーローになれますね! ホームパーティーでも、ちょっと自慢出来るかも・・・ 私は感覚的に作ってしまいましたが、これを研究している方もいて、調べたら本もいろいろ出ていました。

結局のところ、できあがりをデザインして、色で食材を決めて、素材を準備して、海苔を巻く前の設計図を作り、位置を確認しながら巻く・・・ということなのですね。

好きな絵を画いてその絵が巻けたら、なんて楽しいんだろう!と思います。

これからも、いろいろチャレンジしてみようと思っています。

飾り巻きずしインストラクターの検定もあるみたいですよー。

検定受けてみようかなぁ・・・

いよいよ、たいやきカフェ&ダーツバー『NEO』が
富岡のパークスクエア内に3月15日(土)オープン予定!!
いろいろな種類のたいやきをご用意してお待ちしています。
ぜひ、遊びに来てくださいね♪