季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!

 

第14回 「朝10時。ほっと一息お茶をすする食卓の巻」

いつものように朝からバタバタ。ふと時計を見ると、10時。窓からお日さまの光が差し込んで、床がぽかぽかしてくる時間です。ふぅ・・・休憩しよっかな。冷蔵庫の中を開けると、意外とお茶請けになりそうなものがいっぱい。食器棚のお皿の上にも、台所の隅っこにも!いろんなものを出してきて食卓に並べて、大好きなお茶を入れて・・・春先の、こんなひとりのお茶時間が好きなんです。

それでは早速、お茶をすする食卓です。

ふふふっ。ここまで並ぶと豪華でしょ?作り置きしてあったものや、買ってきてあったもの、いただきものなどなど。ただ並べてみるだけで、なんて楽しいお茶の時間!ステキな柄のテーブルクロスも良いけれど、せっかくですから、お日さまのあたたかな光をテーブルクロスにしました。

うるいの昆布茶漬け、ふきのとう味噌、おかかの佃煮、大根皮のお漬物、丸干し芋、げたんは、黒豆きなこ団子、大麦ビスケット、おからシオビス、胡麻せんべい。

「よくもまあ、ここまで地味な色が集まりましたね。」という感じのお茶請けたちは、同じ地味な器でありながら、やや色白なものを並べて、相性の良さそうな器に入れていきました。

私が実家に帰るといつも飲んでいる大好きな「玄米茶」を煎れて、ほっと一息しあわせな食卓の出来上がり。

それでは、お料理の説明です。

ふきのとう味噌

春ですねぇ。先日、ふきのとうをたくさんいただいたので、ふきのとう味噌を作っておきました。もちろんご飯にも合うけれど、そうそう、こういう時のために作っておいたのよー♪

  1. ボウルでささっと洗い、下処理をはじめます。



  1. ふきのとうは、外側の赤茶で固めの部分を1〜2枚はがし、葉先や茎の黒いところを取り、その場で水に浸していきます。
  1. 沸騰した湯で1分くらい茹でてから、冷水に取って冷まし、水気を切ります。
  2. ふきのとうを細かく刻みます 。

  1. フライパンに胡麻油を熱し、ふきのとうを炒めます。
  1. 全体に油が回ったら、味噌、酒、みりん、を入れて味噌にツヤが出てくるまで煮詰めながら練ります。


うるいの昆布茶漬け
いやー、春ですねぇ。うるいですねー。ほんのりした苦みと、少しつるんとしていながらシャキシャキする食感。そして何より、切ってそのまま食べられる気軽さ。今回は、香りを邪魔しないように、昆布茶で浅漬けにしました。
  1. 昆布茶を煎れ、少し塩味を感じるくらいに塩を混ぜて、冷ましておきます。
  1. .うるいをさっと水で洗って、適当な長さに切ります。
  1. うるいを昆布茶に漬け込みます。


大根皮のお漬物

ロコディッシュでオープン時から根強いファンが多い定番メニュー、大根皮のお漬物。ロコディッシュでは自家製のぽん酢に漬けていますが、もちろん市販のものでもおいしく出来ますよ!お茶請けはもちろん、ご飯にも、お弁当にも。冷蔵庫にあるととっても便利な一品です。

  1. 大根の皮を厚めに剥いて、ざるに入れて一晩干します。
  2. 干した大根の皮をタッパーなどに入れて、ぽん酢に漬け込むだけ。
  • 大根は皮を剥く前にタワシでキレイに洗ってくださいね。
  • 皮を食べるので、ぜひ無農薬のものを。千葉では、無農薬でおいしい大根がたくさん出来ています。

おかかのふりかけ

おみおつけや料理で使う出汁を取った後の、鰹節、煮干し、昆布、椎茸などで、ふりかけを作っています。これもまた、冷蔵庫に常備されているととっても便利なんです!

  1. 出汁を取った後の鰹節、煮干し、昆布などは水を切ってミキサーにかけ、細かくします。
  2. 鍋に入れて火にかけ、水分をしっかり飛ばします。
  3. 乾いてきたら、胡麻を入れ、味をみながらみりんと醤油を入れて、水気がなくなるまでしっかり煮詰めます。
  4. 冷蔵庫で保管します。


黒豆きなこだんご

誰に教えてもらったんでしたっけ・・・?その頃から、すっかり私好みの味に変えてしまいましたが、カンタンでおいしいきなこだんご。ちょっと力が必要ですが、このおいしさを知っているから、がんばれるのです!

  1. きなこ80gと、同量のきび糖をボウルで混ぜておきます。
  1. 鍋に白玉粉40gと同量の水を混ぜ、白玉団子を作る時と同じように手で練っていきます。
  1. なめらかに、ひとかたまりになったら、先ほどと同量の水を入れて生地を伸ばしていきます。

  1. 生地を弱火にかけ、練っていきます。だんだんもちっと重たくなって、透明感が出てきます。
  1. てんさい糖80gを、溶けたら入れ、溶けたら入れ・・・と、数回に分けて混ぜ込んでいきます。
  1. 水あめを大さじ1杯入れ、手早く混ぜます。
  1. すぐに始めのきなこと砂糖の入ったボウルに入れて、混ぜ込んでいきます。温度が下がってきたら、手でぎゅぎゅっと混ぜこんでいくと、混ざりやすいです。
  1. 一口大にまるめて、きなこをまぶして出来上がり!

大麦ビスケット

ロコディッシュで最近人気急上昇中の大麦ビスケット。大麦と黒糖とグレープシードオイルを使って焼いた、本当に素朴なビスケットは、噛むほどに素材の味が広がる滋味深い味です。


胡麻せんべい

きび糖と薄力粉に卵白を混ぜ込んだ生地をつなぎに、胡麻を固めたおせんべいです。母、キミヨ直伝の胡麻せんべいと玄米茶は、最強コンビなのです。


おからシオビス ←常に買い置き

個人的にお茶請けには欠かせない!
「おからシオビス」 ほんのり塩味、堅めの食感。もう、たまりません。今日はしいたけ味。プレーンも大好き!


丸干し芋/げたんは ←いただきもの

干し芋大好きなんです。特に、この丸干し。網で軽くあぶったら最高です!

「げたんは」は、鹿児島名物の黒糖を使った駄菓子です。カタチが下駄の歯に似ているからこの名前が付いたのだとか。鹿児島土産かと思ったら、実は新浦安アトレ内の成城石井で買ってきてくれた手土産でした!こんなに近くで買えるなんて!自分でも買いに行こうっと。

 

 

それでは、春らしいなぁ・・・な食卓の今回の主役。

蕗の薹(ふきのとう)
   

ふきのとうは、蕗(ふき)の花のつぼみで、一番最初に地上に顔を出すところです。

選び方

開いたものは苦みが強すぎるので、つぼみの状態が程良い苦みを楽しめます。

栄養

山菜はアクの強いものが多いのですが、そのアクである苦みに含まれるポリフェノールが注目されています。特にふきのとうに含まれているポリフェノールの中には、血中ヒスタミンを減らす成分があり、花粉症などのアレルギーに効果があるとも言われています。

保存方法

収穫後、どんどん香りが抜けて、えぐみや苦みがでてきますので、早めに調理するのが一番です。保存する場合は、つぼみが開いて苦みが強くならないように、冷蔵庫で保管します。

   
うるい
   

クセがなくて食べやすい、最近注目の山菜です。

選び方

葉は成長すると苦みが出るので、葉先が薄い黄緑色で柔らかいものを選びます。

栄養

少しヌメリがありますが、そのヌメリの成分の中にリンパ球を増やして身体の抵抗力を高める効果があります。

保存方法

これも、出来るだけ早く調理して食べましょう。葉先が成長して固くなってきてしまっても、そこだけ取り除けば白い茎の部分は食べられます。
   
   

 

来月もおいしいもの見つけておきますね!お楽しみに〜♪