季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!


第37回 箱で勝負だ!気軽に手作りチョコレート!!の巻。

14日は、バレンタインデー。「今年は逆チョコ!」なんて、男性が女性にチョコをプレゼントする広告もみかけて、もうだいぶカタチも変わってきていますが・・・いろんなチョコレートが販売され、ショコラティエたちも続々と新作を発表し、チョコレートが熱い時期であることには変わりありません。
ハート型に固めた手作りチョコなんてさむいし・・・
彼氏は甘い物がダメなんです・・・
ケーキ焼くどころか、買い物に行く時間すらないし・・・
明日、お友だちと持ち寄りパーティーすることになったのに、もうお店が閉まってる!
そんな時は、気負わず焦らず、チョコレートのお菓子作りましょうよ。
純粋な告白用に、旦那さまやお友達へのプレゼント、持ち寄りパーティー用、そして自分用に。コンビニで買える食材を使って、前夜に作れるチョコレートのお菓子を作ろう!
コンビニには売っていない温度計だけは、事前に準備をしておいてくださいね!
やっぱりデジタルが使いやすいですよ。

それでは早速、チョコレートのお菓子を作りましょう。

バレンタインデーにこんなプレゼントをもらったら、とってもステキ!!
でもね、実は・・・ステキなのは、パッケージ。紙とは思えない質感。赤とグリーンでも、紙の質、柄、微妙な色の組み合わせで、こんなにも大人の雰囲気になるんですね。フタには赤のキラキラビーズのラインでかわいらしさもあって・・・真ん中にちょっとしたメッセージカードを貼ることも出来ます。
今回は、浦安にアトリエを持ち、“ペーパークイリングアーティスト”として、またNHK文化センターの講師としてもご活躍の藤岡美穂さんに、プレゼント用のパッケージを作っていただきました。これなら、パッケージで勝負出来ますね!! (*ペーパークイリングについては、最後の方でご紹介します)
器に盛れば、気軽なティータイム用にもなります。シチュエーションに合わせて、盛りつけてみてくださいね。

それでは、お料理の説明です。

テンパリング

出た!テンパリング!!
「チョコレートをきれいになめらかに溶かして形成するために、温度管理をする」ということなのですけど、なんだか難しそうなイメージですよね。何かカンタンに出来る良い方法はないものかと模索しましたが、これだけはムリ。腹をくくってやりましょう。
売り物みたいにツヤツヤに仕上げるには、部屋の温度管理や湿度管理が必要なんです。おうちで手作りするのですから、そんなに気負わず、楽しく作りましょう!。


*今回は、コンビニで45gの板チョコ「ブラック」4枚と「ホワイト」2枚を用意しました。少なすぎると、温度にバラつきが出たり、コーティングしにくかったりします。2枚がギリギリでした。3枚以上でテンパリングして使った方が作りやすいですよ。

1.チョコレートをそれぞれ細かく刻み、ボウルに入れます。

2.別のボウル(出来ればチョコレートを入れたボウルと同じ大きさ以下のもの)に50℃のお湯(給湯器からのお湯でOK)を入れ、チョコレートの入ったボウルを上に置いて湯煎します。

*湯煎のお湯や、蒸気などの水分がチョコレートに入らないようにしましょう。

3.混ぜながら溶かしていきます。チョコレートに温度計を差して、45℃以上にならないように温度を保ちながら、なめらかになるまで溶かしていきます。

*45℃以上になる前に湯煎から外したり、温度が低くて溶けきらない場合は湯煎のお湯を変えたりして、丁寧にかわいがってあげましょう。

4.クリーム状に溶けたら、湯煎のお湯を水に変え、混ぜながら28℃まで冷やしていきます。だんだん、もったりしてきます。

*ボウルの外側と内側で温度差が出ますので、しっかり混ぜながら温度を測りましょう

 

5.28℃になったら、もう一度水を湯に変えて湯煎。32℃まで上げたら、湯煎から外して、鍋敷きなどの保温性のあるものの上に置き、なるべく30℃前後に保ったまま、好きな食材にかけたり、コーティングしたり、型に流したり・・・

≪おまけ≫
基本的には同じ行程なのですが、ホワイトチョコレートは、少し低めの温度でテンパリングするときれいに仕上がります。
40℃ → 26℃ → 28℃

*チョコレートのメーカーや商品ごとにテンパリングの温度は微妙に変わりますので、メーカーのHPや商品に記入されている温度のとおりにするのが一番失敗なく出来ます。

コーティング

コンビニで、板チョコ買って・・・さあ、何につけましょう?
ミックスナッツ、おせんべい、バナナ、缶詰のみかん、ウエハース、スナック菓子・・・
半分つけたり、全部コーティングしたり、食感も想像しながら、プレゼントする方の好きなものを選んで。


*コーティングした後、クッキングシートの上に乗せて固めるので、先に平らな器やまな板などにクッキングシートを敷いて準備しておきます。
≪フルーツやゼリーなど、水気のあるものの注意点≫
・コーティング前に、ペーパータオルで包んでしっかり水気を取っておきましょう。
・なるべく最後に作業します。チョコレートの中に水気が入ってしまうと変質しますので、水気を含むものはチョコレートを別の容器に小分けに取るか、クッキングシートに乗せて上からかけるなどして、ボウルの中に水気が入らないように作業すれば、1回のテンパリングでいろんな種類を作ることができます。
・全体をしっかりコーティングします。底の部分も忘れずに。チョコレートのかかっていないところがあるものは、翌日以降、そこから水気が出てくる可能性があるので、プレゼントには不向きです。
≪四角い箱のなかみ≫
箱の大きさが、12cm×15cm×3cmなので、3cm角に収まることを条件に選びました。

  1. 麦ふぁー
    3cm角に切って、3枚重ねて、立方体に。クッキングシートの上に置いて、ホワイトチョコレートをかけました。3枚はかけたチョコレートで束ねられています。
  2. マシュマロ
    チョコレートのパリパリ感とマシュマロのふんわり感がたまりません。市販のマシュマロなら、何味でも相性◎。今回は、コーヒーマシュマロです。
  3. バナナ
    太めのバナナを選んで3cm幅に切り、クッキングシートの上にチョコを乗せ、その上に切ったバナナを乗せて上からチョコレートをかけます。
  4. 缶詰のみかん
    ペーパータオルに包んで、周りの水気をしっかり拭き取ってから、コーティングします。クッキングシートに少しチョコレートを敷いて、その上にみかんを置き、スプーンの背でチョコレートを塗っていきます。
  5. ひとくちゼリー
    しっかり水気を取り、バナナやみかんと同様、全部コーティングします。

≪丸い箱のなかみ≫
あまり甘いものを好まない方、チョコレートは少し食べられればいい・・・という方向けに、シンプルでスナック的に食べられるものを選びました。

  1. ミックスナッツ
    お菓子で使用するのは製菓用の無塩ナッツでなくてはいけないわけではありません。コンビニでいつも売っている塩味のミックスナッツで大丈夫。ほんのり塩味のナッツと、苦みの効いたブラックチョコ。意外と相性が良いのです。
  2. ポテトスナック
    スティック状のポテトスナックに半分ちょこがけ。
  3. キャラメルコーン
    半分チョコがけで。
  4. げんこつせんべい
    家にあった、かた焼きのげんこつせんべいにも、チョコがけしちゃいました!とってもおいしい!

それでは、気軽に手作りチョコレートの今回の主役。

フードラッピング
   

 

 

ギフトBOXって、急に必要になることが多くて、でもそんな時に限って買いだめしてある箱は、大きさやカラーが合わない・・・
慌てて近所に買いに行っても、気に入ったものが見つからなくて、「ここにイラストさえ入っていなければなぁ。」なんてことばかりで、意外と高いし。

今回、浦安市内にアトリエを持つ、ペーパークイリングアーティストの藤岡美穂さんに、「季節の食卓2月号専用ギフトBOX(バレンタイン勝負用&持ち寄りパーティーで困らない用)」を用意していただけることになりました。

大人のかわいらしさ満点!!紙の質感と、色の組み合わせがたまりません。
少しズレたら、子どもっぽかったり、すごく不快な色の組み合わせになる難しい配色。チョコレートを入れると、さらにしっくりきます。
しかもこの箱、某レストランのテイクアウト用の空箱を使って作ったというから驚きです。
ところで、藤岡さんの肩書きの「ペーパークイリング」って何でしょう?
はい。コレです。

ちょっとわかりにくいので、拡大。

全部、紙です。葉も、花びらも、雌しべも。
テープ状の紙を細い棒でくるくる巻いて、ひとつの束を作り、それを組み合わせて形を作っていく、「ペーパークイリング」。
しかも、このお花と雌しべは、巻く前にハサミで等間隔に細く細く切り込みを入れていき、それから巻きつけていくという技。

もうひとつ。

ロコディッシュのシンボル、プルメリアのお花を作ってくださいました!
拡大します。

こうした技を持っていると、ちょっとした時に良いですよね。
ギフトBOXはもちろん、メッセージカードや、祝儀袋、寄せ書きの色紙など。
市販のものが気に入らなければ、自分で作れば良いのです!

私が最近、興味を持っているフードラッピング。本もいろいろ出ています。

過剰なラッピングは不要ですが、お互いにハッピーになるようなスマートなラッピングは、やっぱり必要。食べ物も、少しくらいの失敗なんて気にならないくらい、うれしくなってしまうものです。おいしそうに見える色の効果も加われば、より心に残るプレゼントに。食べる前の視覚的効果は、重要なんですよ。本当に。

   

藤岡さんが講師を務めるNHK文化センターのペーパークイリング講座。
私も、フードラッピングの勉強として受講します!
残席わずかとのことですので、ご希望の方はお早めにどうぞ。

藤岡美穂さんは、「浦安に住みたい!(明和地所発行)」3月号の
LocoDishコラム「ココロごはん」にも登場します。お楽しみに!