季節の食卓

みなさん、こんにちは。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子です。

仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!

 

第13回 「おばあちゃんのごはん、なつかしいなぁ・・・な食卓の巻」

そういえば…学生の頃から、友だちが遊びに来てごはんを作ると、「きょうちゃんって、おばあちゃんみたいなごはん作るね。」ってよく言われていました。煮物や焼き物など、ものすごーく地味な色合いなのですが、そんな地味なものがこれでもか!というほど並ぶと、妙に安心するんですよね。あー、都会でもひとりでちゃんと生活出来てるなぁ…って。たまには、そんな食卓を作って、おばあちゃん役をやるのも楽しいんです。

それでは早速、なつかしいなぁ・・・な食卓です。

おばあちゃんのごはんを、自分らしく。ひとつひとつはざっくり盛るけど、全体がなんとなくまとまっている…そんな食卓にしてみました。
100円ショップの器なんて…と、敬遠していたのに、この前気に入ってまとめ買いしたお茶碗。ごはんと汁ものの両方に使いました。以前は100円ショップの器といえば外国産の耐久性に欠けるものばかりでしたが、最近は国内の窯元のハンパものもあるんですね。

クロスは一目惚れしたティーマットを3枚重ねて。

それでは、お料理の説明です。

寒ぶり焼き

ぶりの美味しい季節です。ぶり大根と迷いに迷った結果、シンプルにタレに漬けて焼くことに。天然ものが手に入ったら、塩焼きもオススメです。

  1. 醤油:酒:みりんを1:1:1でタレを作り、ぶりの切り身を30分くらい漬け込みます。。

  1. 魚焼き網に油を塗って熱し、強火の遠火で盛り付けた時に表になる側から焼きます。軽く焦げ目がついて、火が通ったら出来上がり。


ぶりのあら汁
ぶりの切り身の横に、なんとまあおいしそうな「あら」。三枚におろした後に残る頭や骨からは、とってもおいしい出汁が出ます。臭みが出ないように、網焼きしてから出汁をとります。
  1. 鍋に水を張り、昆布を浸しておきます。 時間があれば半日くらい漬けておくと良いですよ。
  1. ぶりのあらに、薄く塩を振り30分くらい置いておきます。
  1. 魚焼き網で、焦げ目がつくくらいに強火で焼きます。
  1. 昆布を浸した水に焼いたあらを入れ、強火にかけます。 沸騰直前に昆布を引き上げ、沸騰したら弱火にして、白ねぎと酒を適量入れて10分くらい煮ます。
  2. 味噌を溶いて出来上がり!


*本当においしい出汁が取れるので、味噌は少なめがいいですよ。     

 



ちぢみほうれんそうをポン酢と胡麻油でジュッ

ロコディッシュ、オープン当初からの冬の超人気メニューちぢみほうれんそう。最近はスーパーでも見かけるようになりました。作り方を教えて!というお客様がとっても多いので、一挙大公開!

  1. ちぢみほうれんそうは、根の赤いところが甘くておいしいんです。ズバッとまな板で切らずに、根の部分だけを手で丁寧に切り取ります。
  2. 水にしばらく浸して、シャキッとさせます。
  1. 水を切って、ポン酢をかけてざっくり和え、なるべく茎の部分が上にくるようにします。
*胡麻油をかける時、油がはねることがありますので、ご注意くださいね。
  1. フライパンに胡麻油を入れて強火で熱し、油から白い煙が出てきたら、 茎を中心に胡麻油を回しかけます。
  1. ほうれんそう全体を軽くつかんで、ボウルの下に溜まったポン酢と胡麻油を混ぜ、乳化(=水分と油分を混ぜて白っぽくトロリと)させます。
  2. 全体にササッと絡めて、器に盛り、白胡麻を振って出来上がりです。

いろいろ冬野菜のかき揚げ

旬の根菜をかき揚げにしました。皮むき器で薄く切って衣を混ぜるだけの簡単かき揚げ。今回は、れんこん、さつまいも、にんじんで作りましたが、お好きなお野菜でどうぞ。シンプルな塩味でポリポリ止まりませんっ!!

  1. れんこん、さつまいも、にんじんは、たわしで泥を落として皮付きのまま ピーラーで薄く切ります。
  2. れんこん、さつまいもは水に浸してあくぬきします。

  1. 水を切って、全体に小麦粉をまぶします。粉っぽいようであれば、水を少し足します。
  2. 揚げ油を180℃に熱し、菜箸でお野菜をつまんで油に入れ、つまんだまましばらく待ちます。
  3. お野菜同士がくっついて来たら、箸を回しながら外して、次を揚げます。
  4. おいしそうな色になったら、油を切って、お好きな塩を振って出来上がり。

    * お野菜の周りに薄く絡めた衣だけで揚げるので、冷めてもカリッとおいしいです。小さく揚げてお弁当にも!


玄米ともちきびのごはん

ちょっとパサつく玄米にも、もちきびを入れるだけでしっとり、もっちり。とっても食べやすくなりますよ。

  1. 玄米ともちきびを、水でささっと洗います。
  2. 玄米の水量に、もちきびと同量の水を追加して入れます。
  3. 塩をひとつまみ入れます。
  4. 5-6時間浸水して、炊きます。

    *もちきびは、玄米の2割くらい入れてみました。

それでは、なつかしいなぁ・・・な食卓の今回の主役。

鰤(ぶり)
   
 

「寒ぶり」といって、天然物は12月〜2月くらいまでの寒い時期、脂がのってとってもおいしいんです。大きく成長するにつれて呼び名が変わっていくので、「出世魚」と言われています。呼び名は地域によっても違いますが、養殖のぶりを「はまち」と呼ぶのは全国的に共通しているようです。

選び方

切り身になっているものの選び方です。

  • 血合いが鮮やかな赤色(鮮度が落ちると茶色になります)
  • 切り口がなめらかで、弾力がある
  • 血汁がでていないこと(切り身の下には大抵ドリップシートが敷かれているので見分けるのは難しいかもしれませんが・・・)

栄養

血液をサラサラにすると言われるEPA(エイコサペンタエン酸)、頭を良くすると言われるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚介類の中でもトップクラス。本当に頭が良くなるかどうかは別として・・・どちらも人の身体には欠かせない大切な栄養素です。
血合いの部分には、コレステロールの代謝を促進すると言われるタウリンが多く含まれています。

保存方法

買ってきたら、その日のうちに食べるのが一番です。保存する場合は、キッチンペーパーに包んで、上からラップをかけて冷蔵庫で保存します。保存した後は、生食ではなく、火を通してから食べるようにしましょう。

   
寒じめちぢみほうれんそう
   

でもよく見かけるようになったちぢみほうれんそう。肉厚でおいしいですね!冬場しかないので、もりもり食べたいお野菜です。
さっと茹でておひたしが一般的ですが、寒じめちぢみほうれんそうはアクが少ないものが多いので、生で食べるのも好きです。
寒じめちぢみほうれんそうは、「寒じめ栽培」といって、霜がおりたり、雪が積もってしまうような冷たい土に這うように葉を広げ、甘みを増していくという方法で栽培しているちぢみほうれんそうのことです。

選び方

葉がシャキッと元気で、濃い緑色のものを選びましょう。古くなってくると、葉先が黄色くなってきたり、水っぽくなってきたりします。肉厚のものがおいしいです。

栄養

ほうれんそうにカロテンが多く、ビタミンなどの栄養が豊富なのはよく知られていますね。

保存方法

買ってきたら、一回ほうれん草に水をザバーっと通してから、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。地面に植わっている時同じように、根を下にしておいてあげましょう。葉が黄色くならないうちにおいしくいただきましょう。
   
   

 

来月もおいしいもの見つけておきますね!お楽しみに〜♪

そうそう、ロコディッシュは2月から、平日もランチ営業します。

いろんなお野菜使ったスープやお粥や丼を用意してお待ちしてまーす!