季節の食卓

みなさん初めまして。フードビジネスコーディネーターの加賀谷恭子と申します。
仕事がら、いろんな食材を扱って調理をしています。食材は、季節ごとにおいしいものがあって、それは普段忘れかけている昔ながらのものもあれば、新しく生まれたものまで、本当に様々。折角ですから、これから私が出会ったいろんな食材を少しずつ取り上げて、食材のことから考えて作る“季節の食卓”をテーマに、コラムを毎月更新していこうと思っています。 
中でも、私はお野菜を中心とした極々シンプルな調理のごはんを得意としております。だって、農家のみなさんが手間隙かけて作った、自然のチカラが溢れんばかりのお野菜に触れると、余計なことはしちゃいけないなって思うんですよ。お野菜とじっくりお話して、一緒に調理法を決めたりしています。

複雑な調理や、派手なディスプレイはしません。普段、おうちで出来て、いつもよりちょっぴりステキ…という食卓を提案していきます。食べ物を見たり、触ったり、おうちでのごはんが楽しい!って思っていただけたらうれしいです。気が向いた時に、ふらりと見に来てくださいね!

第1回 なんだかほっとしちゃうよね…という本当に素朴な食卓の巻

 

「早く起きなさい。遅刻するわよ!」
「もう・・・わかってるよぉ・・・」
寒い寒い冬の朝の戦い。そんな時の救世主は、ほかほかごはんに、あったかおみおつけ。布団をひっぺがして起こすより、台所から聞こえてくるトントントンという包丁の音が、その戦いに終止符を打ってくれる。「北風と太陽」みたいに。
寒い冬こそ、心が満腹になる素朴な朝ごはんを。そして、せっかくだから、完璧なる褻の食卓を作ってみようではありませんか。気合いの入った褻の食卓ほど美しいものはない!のです。

それでは、今日の食卓に並ぶ食材を紹介します。
千葉県出身。

今ノリノリの大根と、キラキラなお米です。

かつお梅・・・ 奈良県産のもの
玄米ごはん・・・ といだ後、分量の水に塩をひとつまみ入れ混ぜて浸水。
炊飯器のタイマーを2時間後〜8時間後にセットします。
炊けたらすぐにしゃもじで切るようにかき混ぜて少し蒸らします。
白米ごはん・・・

冷凍保存してあった白米をレンジでチン。
お茶碗1杯分、2分30秒〜3分で、炊きたてみたいなほっこりごはんに。

おみおつけ・・・

人数分のお椀の分量より少し多めのお水に、煮干の頭と内臓を取って細かく砕いたものを入れて、玄米の浸水時間と同じくらい浸しておきます。
中火にかけ、沸騰したらアクをすくって、5分くらい弱火で煮出します。
花かつおをひとつかみワサーっと入れて、すぐに火を止めます。
かつおが沈んだら煮干と一緒に網ですくい取ります。少しくらい残っていても大丈夫。
それがまた、いいんですよ。ばあちゃんちのおみおつけみたいで。
(このかつおと煮干、棄てちゃダメですよ)
中火にかけながら、味噌を溶きます。田舎風に、豆の粒々が残っている感じがいいです。
大根葉は茹でて冷水に取り、水気を絞って適当な長さに切っておきます。
白ねぎや、わかめ、豆腐など好きなものを入れてくださいね。

大根皮のお漬物・・・ 厚めに剥いた大根皮を一夜干しして、好きなぽん酢に漬けるだけ。これが意外とウマイんです。
厚揚げ・・・ 魚焼き網で焼きました。おみおつけ作ってる間、隣のコンロ空いてるでしょ?
時々ひっくり返して面倒みてあげましょう。
焦げ目がついたら、切って盛り付け、大根おろしとしょうがおろしをたっぷりと。 お醤油添えるの忘れずに。
かつおと煮干の佃煮・・・ おみおつけの出汁を取った後のかつおと煮干、手でぎゅーっと絞ってミキサーで 細かくするか、包丁で刻みます。 みりんとお醤油も入れて、フライパンで汁気がなくなるまで炒め煮します。 白胡麻を混ぜて出来上がり。たくさん出来るので、明日はこれでおむすびにしよう!


それでは、今日の食卓に並ぶ食材を紹介します。 千葉県出身。 今ノリノリの大根と、キラキラなお米です。
 
大根について
 

千葉県香取郡出身。無農薬・無化学肥料で育てられました。ずっしり、みずみずしくて、なかなかセクシーなお姿。タワシで泥を落とした後は、白いもち肌で色気倍増。皮も葉も全部おいしくいただきます。
生でかじると、そのおいしさがわかります。

保存の仕方や栄養価についても触れてみます。

これが!大根
根: 生食なら、炭水化物・たんぱく質・脂質の分解酵素が含まれ、消化を助けてくれます。おろしでたっぷりいただきましょう。のどの痛みを抑え、風邪予防にも効果的。
皮: 栄養素は、皮と身の間に集中。厚めに剥いた皮は、ざるに入れて一晩おき、ポン酢に漬ければ
立派なお漬物に!常備菜として冷蔵庫に入れておくと便利ですよ。
葉: 鉄分・ビタミンE・C・食物繊維は、なんと!あのホウレンソウにも勝る素晴らしい緑黄色野菜。炒めたり、茹でておひたしやおみおつけの具など、ホウレンソウ代わりに使ってみては?冬は葉付きが出回るのでチャンスですよ。
 
大根は買って来たらすぐに首のところで葉と切り分け、根(身)は保存する場合、濡らした新聞紙に包んで涼しいところへ。水分が抜けて「ス」が入らないうちにいただきましょう。
葉は黄色くなった部分があれば取り除き、ビニール袋に入れて冷蔵庫へ。しんなりしてきたら、冷水に浸してあげると復活します。内側の小さい葉の方が柔らかく食べ易いですよ。
 
米について
 

千葉県香取郡多古町出身。全国自主米品評会で食味日本一に輝いた、知る人ぞ知る「幻の多古米」。白米はもちろん、玄米も普通の炊飯器でふっくら炊けてしまう。中でも五木田さんちの箱入り娘は、育ちの良さがピカイチ。お米がキラキラ☆なんです。玄米はパサパサしててどうも苦手・・・という方、一度五木田さんのしっとりあまい玄米を。

お米は4合以上で炊くのがおいしい。余ったごはんは、なるべく早く1食分ずつラップに包んで、フリーザーバッグに入れて冷凍を。食べる時に電子レンジで解凍すれば、炊きたてと変わらないおいしさ。玄米と白米を一緒に食卓に出したり、お米の食べ比べなんかもおうちで出来ちゃいます。

これが!お米

白米のでんぷんは、消化吸収が高く力が持続します。スポーツ選手は、試合前の朝ごはんにおむすびを食べる人が多いですね。私も水泳をやっていた頃、コーチの指導で大会の日の朝は、白米の塩おむすびを食べていました。

玄米には、ビタミン・ミネラル・食物繊維が多く含まれることはよく知られています。玄米の胚芽部分に含まれる、中性脂肪を下げるギャバも話題になりました。低インシュリンダイエットが話題になった時も、GI値の低い食品としても取り上げられましたね。