浦安LOHAS
 
 

2008年6月号


温暖化に立ち向かうエコ・リュクスな暮らしとは

7月7日〜9日に開催される北海道洞爺湖サミットの主要テーマは、「環境・気候変動」である。浦安市でも、6月21日に新浦安駅前で「浦安市環境フェア」が開催され、気象予報士の依田司氏による地球温暖化防止の基調講演や松崎市長とのパネル・ディスカッションなどが行われた。今回はこれらにちなみ、「環境」に絞って考えてみたい。LOHASのSはサスティナブル(地球の持続可能性)であり、まさしく「環境」をテーマとしている。

とはいえ、国家でもなく企業でもない一市民が、「環境・気候変動」のような大きなテーマに対して、どのように向き合えばよいのであろうか。まずは、現状を学ぶことから始めるのが常道であろう。読書が好きな方には、最近出版されたばかりの次の本をお勧めしたい。
●「地球よ 環境元年白書」朝日新聞取材班著/朝日新聞出版刊

ところで、「地球温暖化」とは、本当にそんなに深刻な問題なのであろうか? 悲観論の代表としては、元米副大統領のアル・ゴア氏による次の本や映画がよく知られている。
●「不都合な真実」アル・ゴア著/ランダムハウス講談社刊
●「不都合な真実(DVD)」デイビス・グッゲンハイム監督/パラマウントホームエンタテインメントジャパン販売

一方で、楽観論というわけではないが、白熱化する「地球温暖化」ブームに冷や水を浴びせる論調で書かれた次の本にも、蒙を啓かれる部分が多い。
●「ほんとうの環境問題」池田清彦・養老孟司共著/新潮社
「地球温暖化」で指摘されているのは、今のまま炭酸ガス(CO2)が排出され続けると100年後に気温が2.8℃上昇し、海面が35cm上がってしまうという危険性。日本はCO2の6%削減を目標とする京都議定書を批准し、年間1兆円もの費用を注ぎ込んでいる。しかし、上記の本によれば、京都議定書どおりにCO2排出量を削減できたとしても、全体の約1%しか温暖化を防げず、100年後の海面の上昇を34.65cmにまで抑えるだけの効果しかないという。単純計算すれば、それに要する費用は100兆円となる。

賢明な読者ならば、双方の主張に耳を傾けるべきであろう。それでも、どちらが「ほんとうの」「真実」なのか、結局、一般人にはよく分からない、というのが正直なところと思われる。専門家にとってさえ、未だ研究途上であり、データ不足なのである。しかも、「地球温暖化」は純粋に科学で割り切れる問題ではない。先進諸国のエネルギー問題や食料問題に起因して浮上してきた国家戦略が背景にあり、不純な動機が見え隠れしている。
だからと言って、立ちすくんでいても始まらない。ロハスに関心があり、少しでも危機感を抱く方は、誰にでもできる、ささやかなエコライフに挑戦してみてはいかがであろうか。そのためのヒントは、巷間にあふれている。

環境省では、“質が高く、快適で地球に優しい”ライフスタイルを「エコ・リュクス」と呼ぶように奨励している。リュクス(LUXE)は“贅沢”“優雅”などの意味を持つフランス語であり、地球環境に配慮しながらも自由で豊かな生活を楽しもう、と提唱しているわけである。「ロハス」とほぼ同意義と考えて差し支えない。そのための方法論は、次のサイトにたっぷり掲載されている。
●「環のくらし
特にお勧めしたいのが、「ふたりで始める『環のくらし』」。エコライフの知恵を満載した小冊子がWebで読める(現在、Part4まで公開済み)。「地球環境を守る漫画」というページもあって楽しめる。

さらに実践向きなのが、同じく環境省による次のサイトである。
●「我が家の環境大臣
このサイトに家族単位で「エコファミリー」として登録すると、環境家計簿(エコ帳)を付けたり、エコイベントに参加したり、全国のエコファミリーと情報交換したりすることもできる。こうした活動に参加すると、EFポイントがもらえ、ポイント数での全国ランキングが確認できたり、ポイントが貯まると表示画面が変わるなどのインセンティブが用意されている。その趣向に乗せられてみるのも面白い。
マスコットキャラクターも2組ある。頭に葉っぱを生やした「えここ」とは、すごろくを楽しみながら、エコライフのヒントをつかむことができる。
●「えここファミリーすごろく
お茶やお菓子を犬猫にデザインした「お茶犬」も、最近イメージキャラクターに起用されている。なかなか凝った造りのサイトなのである。
●「お茶犬

子どもと一緒に楽しみながら学びたい向きには、次のサイトもよい。
●「子ども環境情報センター エコっ子ナビ
●「このゆびとまれ!エコキッズ

次のサイトには、家庭でできる取組み10項目が紹介されている。
●「全国地球温暖化防止活動推進センター

それも面倒くさいというモノグサな向きには、取り急ぎこんなところから。環境省がCO2削減のための取り組みの一環として、省内のトイレに貼っている掲示だそうである。

こんな風にちょっとずつ「環境・気候変動」に関心を向け、自分にできることを探りながら、北海道洞爺湖サミットの行方をじっくりと観戦(?)する。それが、この夏のロハスな、そしてエコ・リュクスな過ごし方である。

 


Written by 鷹羽一風


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